“腐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くさ71.5%
す10.2%
くた3.8%
く2.2%
くだ2.2%
ぐさ2.2%
くさら1.6%
ふ1.6%
くさる1.1%
あざ1.1%
くさり1.1%
くさつ0.5%
ただ0.5%
わる0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ほら、ざつと絞(しぼ)つて乾かして置いてくんな、——心配するなつてことよ、そんな腐(くさ)つた單衣なんざ、お邸へ歸りや何枚でもあらア」
「中を調べるなら、蓋(ふた)をあけてお見せするで、待ってくらっせえ。槍などで樽に穴を空(あ)けられたら、味噌が腐(す)えてしまうでねえか」
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでも乳を大切にかかえている自分の姿が、みすぼらしく寂しい気がした、八幡坂を上りかけると、塀の内がわに、卯の花が暗い雨に浮きながら腐(くた)れていた。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
屋根は崩れ縁は腐(く)ち、狐格子はなかば外れ、枯れ草落ち葉でその屋根も縁も、その本質の解らないまでに蔽われ埋ずめられ隠されていた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いたゞきすべる雪雲を、 腐(くだ)せし馬鈴薯とさげすみぬ。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
玉を抱(いだ)いて罪ありと云う古語があるそうだが、これは桐を生(は)やして銭(ぜに)なしと云ってもしかるべきもので、いわゆる宝の持ち腐(ぐさ)れである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
徒歩の目弛(まだる)いのに気を腐(くさら)していたお島は、小野田の勧めで、自転車に乗る練習をはじめていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ことによると、敷居の溝(みぞ)に食い込んだなり動かないのかも知れない。屋根は無論藁葺(わらぶき)で、その藁が古くなって、雨に腐(ふ)やけたせいか、崩(くず)れかかって漠然(ばくぜん)としている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
凡(およ)そ銅鉄の腐るはじめは虫が生ずるためで、「錆(さびる)は腐(くさる)の始(はじめ)、錆(さび)の中かならず虫あり、肉眼に及ばざるゆゑ」人が知らないのであるが、これは蘭人(らんじん)の説であるという説明があって
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
男共の背後(うしろ)には、腐(あざ)れた象の皮を被ツた様な、傾斜の緩い砂山が、恰(あたか)も「俺が生きて居るか、死んで居るか、誰も知るまい、俺も知らぬ。」
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
我が越後にも化石渓あり、魚沼郡(うをぬまこほり)小出(こいで)の在(ざい)羽川(はかは)といふ渓(たに)水へ蚕(かひこ)の腐(くさり)たるを流(ながし)しが一夜にして石に化(くわ)したりと友人(いうじん)葵亭翁(きていをう)がかたられき。
たとへ何(ど)のやうな貧苦(ひんく)の中(なか)でも二人(ふたり)双(そろ)つて育(そだ)てる子(こ)は長者(ちやうじや)の暮(くら)しといひまする、別(わか)れゝば片親(かたおや)、何(なに)につけても不憫(ふびん)なは此子(このこ)とお思(おも)ひなさらぬか、あゝ膓(はらはた)が腐(くさつ)た人(ひと)は子(こ)の可愛(かあい)さも分(わか)りはすまい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
肉が朽ち、顔や、目や、鼻が腐(ただ)れ、崩れて、悪臭を放っている。
森の暗き夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「漁師(りょうし)に頼んどくといくらでも拵(こしら)えて来てくれますよ。何なら、帰りに持っていらっしゃいな。姉さんが好きだから上げたいと思ってたんですが、ついついでが無かったもんだから、それにすぐ腐(わる)くなるんでね」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)