“死(な)” の例文
ところが所天(つれあい)が死(な)くなってからというものは、其(その)男の怨霊(おんりょう)が如何(どう)かすると現われて、可怖(こわ)い顔をして私を睨(にら)み、今にも私を取殺(とりころ)そうとするのです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その父親(てておや)は早くに死(な)くなつてか、はあ母(かか)さんが肺結核といふを煩(わづら)つて死(なく)なりましてから一週忌の来ぬほどに跡を追ひました、今居りましても未(ま)だ五十
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昨年嫂(あね)が外国で死(な)くなりました時は、取敢えずお骨(こつ)を嫂の実家の墓地へ同居させてもらっておきましたが、この度兄と一緒に葬(まつ)ることにいたしましたので
情鬼 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
真先に牧師の妻が死にその次に牧師が死(な)くなりました。こうして後には十八歳の娘が一人残りました。すると忽(たちま)ちその楽園が地獄になったのでございます。
「自家(うち)の弥吉でございます。職人並みに年期を入れさせておりますが、あれは死(な)くなった家内の甥で——。」
いえ、私はな、やっぱりお伊勢なんですけれど、父(おとっ)さんが死(な)くなりましてから、継母(ままはは)に売られて行きましたの。はじめに聞いた奉公とは嘘のように違います。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
毎日(まいにち)、毎日(まいにち)、沖(おき)の方(ほう)を見(み)ては、通(とお)る船(ふね)を見(み)ていますうちに、そのかいもなく、ふと病(やまい)にかかって、それがもとになって、遠(とお)い異郷(いきょう)の空(そら)でついに死(な)くなってしまいました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある時八等書記が死(な)くなつたので、俥(くるま)代をはずむで貰つて、告別式の演説に出掛けて往つた。例(いつも)の通り立板に水の弁舌で故人を褒め立ててゐると聴衆は変な顔をし出した。
あたし、死(な)くなったツヤ子さんとおんなじお手紙を貴女に書くわ。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その父親(てゝおや)は早(はや)くに死(な)くなつてか、はあ母(かゝ)さんが肺結核(はいけつかく)といふを煩(わづら)つて死(なく)なりましてから一週忌(しうき)の來(こ)ぬほどに跡(あと)を追(お)ひました、今(いま)居(を)りましても未(ま)だ五十
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それは品の好いしかも非常に美しい、それでいて私の死(な)くなった妻に酷似(そっくり)なのです。
消えた霊媒女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
是が非でも、そうしなければ、死(な)くなった父上さま法外にも申訳がない。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
葬儀屋だと聞いて、タフトが自分が死(な)くなつた折の始末を頼んだか何(ど)うかは知らないが、この問答では綺麗にタフトが負けてゐる。すべて大男と子供と向き合つた場合、勝は多く子供の方にある。