“囚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とら90.2%
とりこ3.5%
とらわ2.4%
とらは1.4%
と0.7%
とらはれ0.3%
とらへ0.3%
ひとや0.3%
めしびと0.3%
よ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人間というものは肉体が極度に疲れてくると、脳細胞に不思議な変調を来すものと見えて、私はしょっちゅう奇怪な妄想に囚(とら)われた。
動物園の一夜 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
八五郎がそう言って来たのをきっかけに、平次はこの美しい女房の囚(とりこ)から解放されて、階下の一と間に案内されました。
予は財なきが故に、時々云うに云われない苦悶をせねばならぬ、厭(いと)うべき此(この)土地に囚(とらわ)れて居ねばならないのである。
大雨の前日 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
彼は実(げ)に夢ならでは有得べからざる怪(あやし)き夢に弄(もてあそ)ばれて、躬(みづから)も夢と知り、夢と覚さんとしつつ、なほ睡(ねむり)の中に囚(とらは)れしを、端無(はしな)く人の呼ぶに駭(おどろか)されて、漸(やうや)く慵(ものう)き枕を欹(そばだ)てつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大目玉(おほめだま)で、天守(てんしゆ)を睨(にら)んで、ト其処(そこ)に囚(と)られてござるげな、最惜(いとをし)い、魔界(まかい)の業苦(がうく)に、長(なが)い頭髪(かみのけ)一筋(ひとすぢ)づゝ、一刻(いつこく)に生血(いきち)を垂(た)らすだ、奥様(おくさま)の苦脳(くなう)を忘(わす)れずに、飽(あ)くまで行(や)れさ、倒(たふ)れたら介抱(かいはう)すべい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
彼は釈(ゆるさ)れざる囚(とらはれ)にも同(おなじ)かる思を悩みて、元日の明(あく)るよりいとど懊悩(おうのう)の遣る方無かりけるも、年の始といふに臥(ふ)すべき病(やまひ)ならねば、起きゐるままに本意ならぬ粧(よそほひ)も、色を好める夫に勧められて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
古昔(むかし)宋(そう)の文帝(ぶんてい)の頃(ころ)魏(ぎ)の中書學生に盧度世(ろとせい)と云者あり崔浩(さいかう)の事に坐し亡命(にげ)て高陽(かうやう)の鄲羆の家に竄る官吏(やくにん)羆(ひ)の子を囚(とらへ)て之を掠治(たゞす)羆(ひ)其子を戒(いまし)めて曰君子は身を殺て仁(じん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さればこそ土地のものは、総六に魔が魅(さ)したといった。正直の通った親仁は、やがて、ただ通りがかりの旅の客に、船を一艘(そう)頼まれたとばかり、情を解せざる故をもて、程なく囚(ひとや)を免(ゆる)された。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
車駕(しやが)京中に巡幸して道(みち)獄(ひとや)の辺(ほとり)を経(ふ)る時、囚(めしびと)等(たち)が悲吟(ひごん)叫呼(けうこ)する声を聞きたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
辛未(かのとひつじ)、皇太子、使を遣(また)して飢者を視しむ。使者還(かへ)り来て曰く、飢者既に死(まか)りぬ。爰(ここ)に皇太子大(おほい)に之(これ)を悲しみ、則ち囚(よ)りて以て当処(そのところ)に葬(ほふり)埋(をさ)めしむ。墓(つか)固(つき)封(かた)む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)