“釈”のいろいろな読み方と例文
旧字:釋
読み方割合
と58.6%
ゆる12.1%
お6.1%
ほど3.0%
す3.0%
ト3.0%
ほぐ2.0%
しゃく2.0%
ステヽ2.0%
とけ1.0%
さと1.0%
しやく1.0%
はず1.0%
はな1.0%
ほご1.0%
ゆるさ1.0%
わか1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが好い加減に釈(と)けましたらば別に玉子の白身四つ振(ぶり)を本式に泡立ててやっぱり少しずつメリケン粉を振りかけながらその中へ三
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
お浪は仔細ないと認められて一と先ず釈(ゆる)されたが、お照は申し口に少し胡乱(うろん)の廉(かど)があるというので、これも番屋に止められた。
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
五百の姉安を娶(めと)った長尾宗右衛門は、兄の歿した跡を襲(つ)いでから、終日手杯(てさかずき)を釈(お)かず、塗物問屋(ぬりものどいや)の帳場は番頭に任せて顧みなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ようやく川を渉る、足袋底がこそばゆいから、草鞋を釈(ほど)いて足袋を振うと、粗製のザラメ砂糖のような花崗の砂が、雫と共に堕ちる。
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
「請(こ)う。古の道を釈(す)てて由(ゆう)の意を行わん。可ならんか。」などと、叱られるに決っていることを聞いてみたり
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
其魂を体内に請(コ)ひ返して鎮めると、怒りは釈(ト)けるものと信じてゐた。憤怒の最素朴に発し、また鎮静した伝へは、雄略天皇に多かつた。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
飯を喰(た)べながら、そんな話をしているうちに、銀子は気分が釈(ほぐ)れ、それほど悲観したことでもないと、希望を取り返すのだった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
経には、十万衆生(じゅうまんしゅじょう)と説かれ、釈(しゃく)には、一切善悪凡夫得生(いっさいぜんなくぼんぷとくしょう)とあるではございませぬか。僧と、俗との間に、何の隔てがありましょうぞ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北越雪譜初編之梓一挙シテ販ス二七百余部ヲ一刷板装本至ルレ不ルニ二暇給一故二編ノ刻発兌当ニレ有レ近矣、士不トシテレ然二其言ヲ一調舌不レ止鼓觜頻ニ敲ク、僧手釈(ステヽ)レ巻曰
不徹底な処に象徴的な効果があるのだが、釈(とけ)る部分の上の句は、人間妄執の長夜の眠りを言ふ様ではあるが、実は熟睡を戒しめた歌らしい。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
『だつて、君、左様(さう)釈(さと)るより外に考へ様は無いぢやないか——唯新平民が美しい思想を持つとは思はれないぢやないか——はゝゝゝゝ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
並背(なみぜい)にていが栗の頭髪(つむり)も思ひなしか俗とは変りて、藤本信如(ふぢもとのぶゆき)と訓(よみ)にてすませど、何処(どこ)やら釈(しやく)といひたげの素振(そぶり)なり。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お雪は襷を釈(はず)した。張物もそこそこにして、正太の細君を迎えた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それがひどく阿英に似ているので、嫂は珏にそういって傍へいって験(しら)べさした。果してそれは阿英であった。珏はうれしくてうれしくてたまらないので、そのまま臂(て)をつかまえて釈(はな)さなかった。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「これは能く蒔絵の図案にされるものです。」甥はさう言ひながら、一葉一葉の重なりを、そつと釈(ほご)してゐた。
芭蕉と歯朶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
彼は釈(ゆるさ)れざる囚(とらはれ)にも同(おなじ)かる思を悩みて、元日の明(あく)るよりいとど懊悩(おうのう)の遣る方無かりけるも、年の始といふに臥(ふ)すべき病(やまひ)ならねば、起きゐるままに本意ならぬ粧(よそほひ)も、色を好める夫に勧められて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
従来誰も解せなんだ蜻蜓の英国名の起原が東欧の俗譚を調べて甫(はじ)めて釈(わか)り、支那の俚伝がその傍証に立つ、これだから一国一地方の事ばかり究むるだけではその一国一地方の事を明らめ得ぬ。