“呀(や)” の例文
呀(や)、復(また)見て居たの……といつたは其の所為(せい)で、私は何の気もなかつたのであるが、之(これ)を聞くと、目をぱつちりあけたが顔を赧(あか)らめ
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
敏捷(すばや)い、お転婆なのが、すっと幹をかけて枝に登った。呀(や)、松の中に蛤が、明く真珠を振向ける、と一時(ひとしきり)、一時、雨の如く松葉が灌(そそ)ぐ。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
呀(や)!西瓜(すいか)は投げぬが、がつくり動いて、ベツカツコ、と目を剥(む)く拍子に、前へのめらうとした黒人(くろんぼ)の其の土人形(つちにんぎょう)が、勢(いきおい)余つて、どたりと仰状(のけざま)。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
呀(や)!西瓜(すゐくわ)は投(な)げぬが、がつくり動(うご)いて、ベツカツコ、と目(め)を剥(む)く拍子(ひやうし)に、前(まへ)へのめらうとした黒人(くろんぼ)の其(そ)の土人形(つちにんぎやう)が、勢餘(いきほひあま)つて、どたりと仰状(のけざま)。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
と云(い)ふ、哀(かな)しい聲(こゑ)に、驚(おどろ)いて顏(かほ)を上(あ)げると、呀(や)、影(かげ)の如(ごと)く、黒(くろ)い手(て)が、犇(ひし)と背後抱(うしろだ)きに、其(そ)の左右(さいう)の腕(うで)を掴(つか)み挫(ひし)ぐ。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「面目(めんぼく)ない、われら、此処(ここ)に、高い貴(とうと)い処(ところ)に恋人がおはしてな、雲(くも)霧(きり)を隔てても、其の御足許(おあしもと)は動かれぬ。呀(や)!」
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
抜いて持つた釵(かんざし)、鬢摺(びんず)れに髪に返さうとすると、呀(や)、する毎(ごと)に、手の撓(しな)ふにさへ、得(え)も言はれない、異(い)な、変な、悪臭(わるぐさ)い、堪(たま)らない、臭気(におい)がしたのであるから。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大学の廊下を人立(じんりつ)して、のさのさと推寄(おしよ)せた伝吾が、小使に導かれて、生理学教室の扉(ドア)に臨んだ時、呀(や)、恋の敵(かたき)の葛木は、籐(とう)の肱(ひじ)つき椅子に柔く腕を投げて、仰向けに長くなって
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「呀(や)! 世話場(せわば)だね、どうなすった、父(とっ)さん。お祖母(としより)は、何処(どこ)へ。」
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鼻と口と一所に突き出た不状(ぶざま)なのが、前のめりにぶくりと浮いて、膝を抱いて、呀(や)! と一つ声を掛けると、でんぐりかえしを打ちそうな、彼これ大小もあったけれども、どれが七月児(ななつきご)か、六月児(むつきご)か
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
職人(しよくにん)は、呀(や)、矢聲(やごゑ)を懸(か)けて飛込(とびこ)んだが、さて、童(わつぱ)を何(ど)うする。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
森(もり)の下(した)に入(い)るよとすれば呀(や)、眞暗(まつくら)三寶(さんばう)黒白(あやめ)も分(わ)かず。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「呀(や)、復(また)見て居たの、」と私は思はず。……
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)