“ス”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:す
語句割合
棲11.1%
素11.1%
透11.1%
棄7.4%
清7.4%
С3.7%
掏摸3.7%
候3.7%
し3.7%
嗜3.7%
奩3.7%
捨3.7%
据3.7%
摺3.7%
置3.7%
舎3.7%
通3.7%
配3.7%
酸3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尋(タズ)ネ人……サワ蟹(ガニ)ノ棲(ス)メル川沿イニ庭アリテ紫ノ立葵(タチアオイ)咲ク。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その中、仁左衛門特有の素(ス)の心持ちが、情熱で圧せられて来ると、あの顔はあのまゝで、歌舞妓顔になつて来た。たとへば一人舞台でも、さうであつた。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
明りのさゝなかつた墓穴の中が、時を經て、薄い氷の膜ほど透(ス)けてきて、物のたゝずまひを、幾分朧ろに、見わけることが出來るやうになつて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
前年から今年にかけて、海の彼方の新羅(シラギ)の暴状が、目立つて棄(ス)て置かれぬものに見えて来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
これは、必ず清(ス)んで読んだものに違ひなからう。尚このことは後に論ずるつもりである。
古歌新釈 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
В(ヴ)・О(オ)・К(ク)・С(ス)の二階にノヴァミルスキーを訪ねると、彼の机のわきにまだ若い一人の日本の男が腰かけていた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
В(ヴ)・О(オ)・К(ク)・С(ス)は、こういう人にモスクヷ滞在の便宜をはかる、組織であるはずなのだ。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
掏摸(ス)る者は尚(なお)一さうの修錬を要し、敏活機敏、心の構へ、狙ひ、早業、鋭利なる刃物の如く磨かれた人物が完成する、県民皆々油断なく、油断のならぬ人物となり
総理大臣が貰つた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
技術は名人の誉(ほまれ)高く、如何なる名手といへどもこの人を掏摸(ス)るあたはず、如何ほど要心を怠らなくともこの人にかかつては掏摸(スラ)れてしまふといふ老練の巧者を据えるのが宜しからう。
総理大臣が貰つた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
今朝の嵐は、嵐では無(ナ)げに候(ス)よの。大堰(オホヰ)川の川の瀬の音ぢやげに候(ス)よなう。(閑吟集)
「さうや さかいに」 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
みなと川が細り候(ス)よの。我らも独り寝に、身が細り候(ス)よの。(同じく)
「さうや さかいに」 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「これまではよそからしてくれなし(ス)ても、ウタリーが目醒めて居なかったから駄目でした。けれども、これは我共の人が自分から求めて来たのでしたから、きっとどうにかなりますよ。決して死にはしませんよ」
死んだ父も、さうした物は、或(アルヒ)は、おれよりも嗜(ス)きだつたかも知れぬほどだが、もつと物に執著(シフヂヤク)が深かつた。現に、大伴の家の行く末の事なども、父はあれまで、心を悩まして居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
まんねんぐさ 玉柏 五遂 千年柏 万年松 俗云万年草(クサ) 按ズルニ衡嶽志ニ謂ユル万年松ノ説亦粗ボ右ト同ジ紀州吉野高野ノ深谷石上多ク之レアリ長サ二寸許枝無クシテ梢ニ葉アリテ松ノ苗ニ似タリ好事(コウズ)ノ者之レヲ採テ鏡ノ奩(ス)[牧野いう
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ノッソリ出(デ)テ来(キ)テ、蠅(ハエ)タタキノ如(ゴト)ク、バタットヤッテ、ウムヲ言(イ)ワサヌ。五百枚(ゴヒャクマイ)。良心(リョウシン)。今(イマ)ニ見(ミ)ヨ、ナド匕首(アイクチ)ノゾカセタル態(テイ)ノケチナ仇討(アダウ)チ精進(ショウジン)、馬鹿(バカ)、投(ナ)ゲ捨(ス)テヨ。島崎藤村(シマザキトウソン)。島木健作(シマキケンサク)。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
延喜式・神道五部書などに見えた輿籠(コシコ)(又は輦籠(コシコ))は、疑ひもなく供へ物を盛つた器で、脚或は口を以て数へられる処から見ると、台の助けを俟たずに、ぢかに据(ス)ゑることの出来るもので
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
摺(ス)り染めや、擣(ウ)ち染めの技術も、女たちの間には、目立たぬ進歩が年々にあつたが、浸(ヒ)で染めの為の染料が、韓(カラ)の技工人(テビト)の影響から、途方もなく変化した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
又百済ノ池津媛、石河ノ楯とかたらひして、天子の逆鱗に触れて、二人ともに両手・両脚を、木に張りつけ、仮庪の上に置(ス)ゑて、来目部(クメベ)の手で、焚き殺された(雄略紀)よしが見える。
桟敷の古い形 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「爾(ナンジ)ノ知ラザル所ハ、人ソレ諸(コレ)ヲ舎(ス)テンヤ」である。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
二十九日、信濃小県(シナノチヒサガタ)国分寺ヲ通(ス)グルニ、既ニ将門、千曲川ヲ帯(タイ)シテ待チ、前後ヲ合囲ス。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又、菟道(ウヂ)・鹿路(シヽヂ)に目柴(マブシ)立て、射部配(ス)ゑたゞけでは適(カナ)はぬ猛獣の場合に構へたらしいこと、今尚、此風の矢倉構へる猟師があるのでも訣る。
桟敷の古い形 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
東北には酸川(スカワ)・酸(ス)个湯など、舌に酸っぱいことを意味する名の湯が、大分あるが、我々の近代の用語例からすれば、酸いと言うより、渋いに偏った味である。
山の湯雑記 (新字新仮名) / 折口信夫(著)