“よぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
過28.7%
夜着27.4%
衾15.2%
余儀10.4%
餘儀3.7%
横切2.4%
夜被1.8%
寄切1.8%
余技1.2%
夜衣1.2%
余伎0.6%
余戯0.6%
夜著0.6%
寝衾0.6%
横0.6%
縒切0.6%
被0.6%
被衾0.6%
通過0.6%
餘義0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半時間ほど電車に乗って目的地で降りたときは、さすがに恋人にあう嬉しさが勝って、重たい気分の中に一道の明るさが過(よぎ)った。
被尾行者 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
宗助(そうすけ)の答(こたへ)は半(なか)ば夜着(よぎ)の下(した)から出(で)た。其(その)聲(こゑ)が籠(こも)つた樣(やう)に御米(およね)の耳(みゝ)に響(ひゞ)いた時(とき)、御米(およね)は濟(す)まない顏(かほ)をして、枕元(まくらもと)に坐(すわ)つたなり動(うご)かなかつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
芭蕉の門に入ったばかりで、貧窮のどん底時代だった、外へ出る着物も夜の衾(よぎ)もひと組しかなく、それを破笠と共同で遣っている有様だった。
其角と山賊と殿様 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
飛騨は名に負う山国であるから、山又山の奥深く逃げ籠(こも)った以上は、容易に狩出(かりだ)すことも能(でき)ないので、余儀(よぎ)なく其儘(そのまま)に捨置(すてお)いた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
平兵衞は頭(かうべ)を振(ふり)其(そ)は忝(かたじ)けなけれども明日は餘儀(よぎ)なきことのあるゆゑに是非共今宵(こよひ)返(かへ)らずば大いに都合惡(あし)かりなん左(と)に右(かく)御暇(おいとま)申さんと立上れば庄右衞門も止(やむ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
緋娑子さんの眼の中を、傷つけられた知識人の怒りといったようなものがチラと横切(よぎ)った。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
平和の夢からさめて十日の朝だなと意識した時には、昨夜は少し厚過ぎるやうに思つた夜被(よぎ)も更に重く覺えなかつた。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
人々の怖ろしく凄まじい形相が、柘榴のつぶてのやうに私達の眼前を寄切(よぎ)つて行つた。私は、思はず蹣(よろ)めいて母の袂に縋つた。人々の眼は、極度に視張られて血走つてゐた。
鱗雲 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
が、いつだつたか、或る雜誌(ざつし)にのつてゐたゴシツプによると、文藝(ぶんげい)の士(し)の余技(よぎ)の内玉突(たまつき)と寫眞(しん)とでは私(わたし)が筆頭(ひつとう)ださうだ。
このような夜に沖で死んだ人々の魂が風に乗り波に漂うて来て悲鳴を上げるかと、さきの燐火の話を思い出し、しっかりと夜衣(よぎ)の袖の中に潜む。
嵐 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
あわれ、今川氏真をして、鞠を蹴る伎(わざ)の十分の一でも、文武に心を入れていたら、可惜(あたら)、洛陽(らくよう)に余伎(よぎ)の人となって、諸人の見世物には曝(さら)されまいものを……。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その自分がこれらの余戯(よぎ)に耽(ふけ)り乍(なが)ら、とにかく卒業する事の出来たのは、一に同大学諸教授の雅量に負う所が少くない。唯(ただ)偏狭なる自分が衷心から其(その)雅量に感謝する事の出来ないのは、遺憾である。
羅生門の後に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
夜著(よぎ)を被(かづ)けば、可笑(をか)しくも
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
こちらが横になれば、夏なら蚊を追ってくれる者があるし、寒ければすぐ寝衾(よぎ)を掛けてくれる。肩を叩く者もあるし足腰を揉(も)んでくれる者もある。それを黙って、されるままになっていればいい。
似而非物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その時ふっと物影が彼女の顔を横(よぎ)った。かの青年がやって来てじっと彼女を見ているのであった。軽く咎むるような心地の眼付でその顔を見返すと青年はこう云った。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
のしかかっていた如海の体は、後半身を揚げて顔を女の腋(わき)の下に埋め、そのあたりから徐々に乳部を残して柔軟な肌を舌で探って行った。女は縒切(よぎ)れるように身を縒(よ)じる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小翠は平気で笑いながら元豊の屍(しかばね)を曳(ひ)きあげて牀(とこ)の上に置き、体をすっかり拭いて乾かし、またそれに被(よぎ)を着せた。夫人は元豊の死んだことを聞いて、泣きさけびながら入って来て罵った。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「顛倒上下(テンダウジヤウゲ)。……迭相顧戀(テチソウコレン)。窮日卒歳(グニチソチサイ)……愚惑所覆(グワクシヨブ)」——暫らくすると、圭一郎は被衾(よぎ)の襟に顏を埋め兩方の拳を顳顬(こめかみ)にあて
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
やがて一つの室へ出たが、数馬の早速の早業で番兵三人に当身(あてみ)をくれ、気絶する処(ところ)を縛り上げたので、無事にその室を通過(よぎ)ることが出来た。と、また高い階段となる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
突(つ)いてかゝる。ベンヺーリオー餘義(よぎ)なく敵手(あひて)になる。此(この)途端(とたん)、兩家(りゃうけ)の關係者(くわんけいじゃ)、双方(さうはう)より出(い)で來(きた)り、入亂(いりみだ)れて鬪(たゝか)ふ。市民(しみん)及(およ)び警吏長等(けいりちゃうら)棍棒(クラッブ)を携(たづさ)へて出(い)で來(きた)る。