“答”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こた84.5%
いら7.0%
こたへ4.0%
こたえ1.6%
いらえ0.8%
いらへ0.8%
とう0.4%
こたふ0.2%
い0.2%
こたえて0.2%
たふ0.2%
や0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「神(かみ)さま、どうぞ、私(わたし)をお助(たす)けくださいまし。」と、彼(かれ)は、答(こた)えるかわりに、暗(くら)い、御堂(おどう)の内(うち)に向(む)かって手(て)を合(あ)わせて拝(おが)んだのです。
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
麝香(じゃこう)を噛んだような女の息を、耳元に感じた新九郎は、今にも頬へ触れてきそうな黒髪の冷たさを想像して答(いら)えをするのを忘れている。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宗助(そうすけ)の答(こたへ)は半(なか)ば夜着(よぎ)の下(した)から出(で)た。其(その)聲(こゑ)が籠(こも)つた樣(やう)に御米(およね)の耳(みゝ)に響(ひゞ)いた時(とき)、御米(およね)は濟(す)まない顏(かほ)をして、枕元(まくらもと)に坐(すわ)つたなり動(うご)かなかつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
立とまっては耳を傾(かたむ)け、答(こたえ)なき声を空林(くうりん)にかけたりして、到頭甲州街道に出た。一廻りして、今度は雑木山の東側の径(こみち)を取って返した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
しかし島君はこう訊かれても早速に答(いらえ)をしようともしない。ふと彼女は立ち上がった。フラフラと縁先へ歩いて行き、香(かぐわ)しい初夏の前栽(せんざい)へつとその眼を走らせたが
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
清子は何の答(いらへ)はなくて、熱き涙を夫の膝に、月も雲間を漏れ出でて、二人が中のいつまでも、かかれかしとぞ輝きぬ。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
十六の年に奥州の軍(いくさ)に出て、敵の征矢(そや)に片方の眼を射られながら、それを抜かぬ前に答(とう)の箭(や)を射返して、その敵を討ち取ったという勇猛な武士でありましたが
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
聞江戸迄は此所より十六里餘也(なり)と答(こたふ)るに又夫婦の者最早(もはや)何時なるやと云ければ頓(やが)てもう七ツ下(さが)りならんと申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さて義父よりかくかくの噂聞き込みたれば、その実否尋ねたしとて呼び寄せたるなりといはれ、お糸はハツと胸轟かせしが、よくよく思ひ定めたる義父の様子に容易(たやす)くは答(い)らへせず。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
自然に化して俗を離るるの捷径(しょうけい)ありや、答(こたえて)曰(いわく)、詩を語るべし、子もとより詩を能(よく)す、他に求むべからず、波疑敢問(はうたがってあえてとう)、それ詩と俳諧といささかその致(ち)を異にす
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
(此(この)あたりも、一問(もん)、一答(たふ)こと/″\く口合式(パンニングしき)の警句(けいく)にして、到底(たうてい)、原語通(げんごどほ)りには譯(やく)しがたきゆゑ、義譯(ぎやく)とす。)
何となりとも察してよき樣に斗らひ給へ、我れは小豆(あづき)まくらが相應なればと、美事とぼけた積りで答(や)れば、ほんに左樣(さう)で御座(ござ)んしたもの、海山三千年の我れに比らべて力まけのせし可笑しさ
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)