“擣(つ)” の例文
そして誰(たれ)も誰も、自分は神話と歴史とをはっきり別にして考えていながら、それをわざと擣(つ)き交(ま)ぜて子供に教えて、怪まずにいるのではあるまいか。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
暫くして黒衣の人を褐衣(かつい)の人が送り出で、汝の主家の名簿はと問うと、絹を擣(つ)く石の下に置いたから安心せよという。
(三六)亢(かう)を批(う)ち虚(きよ)を擣(つ)き、(三七)形(かたち)格(そむ)き勢(いきほひ)禁(きん)ずれば、則(すなは)ち自(おのづか)ら爲(た)めに解(と)けん耳(のみ)。今(いま)梁(りやう)・趙(てう)・相攻(あひせ)む。輕兵(けいへい)鋭卒(えいそつ)、必(かなら)ず外(そと)に竭(つ)き、(三八)老弱(らうじやく)内(うち)に罷(つか)れん。
夜、燕王、張玉(ちょうぎょく)を中軍に、朱能(しゅのう)を左軍に、陳亨(ちんこう)を右(ゆう)軍に、丘福(きゅうふく)を騎兵に将とし、馬歩(ばほ)十余万、黎明(れいめい)に畢(ことごと)く河を渡る。南軍の瞿能父子、平安等、房寛(ぼうかん)の陣を擣(つ)いて之を破る。張玉等之(これ)を見て懼色(くしょく)あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今に、あいつ、水たまりに尻餅を擣(つ)きます。
全く宗教を異(こと)にしている北と南とを擣(つ)きくるめて、人心の帰嚮(きこう)を繰(あやつ)って行かなくてはならないし、外交の上でも、いかに勢力を失墜しているとは云え
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
器を以て養うに朱砂を以てすれば体ことごとく赤し、食うところ七斤に満ちて、始め擣(つ)くこと万杵(しょ)にして女の支体に点ずれば、終年滅せず、ただ房室の事あればすなわち滅す(宮女を守る)。
直(ただち)に北平を擣(つ)かしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
主公が芸人らに、「お前たちが自分で抜いただけは、何本でも持って帰って好(い)いから勝手に抜け」といった。男女の芸人が争って抜いた。中には筍が抽(ぬ)けると共に、尻餅(しりもち)を擣(つ)くものもあった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)