“全然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まるで32.7%
すっかり13.6%
すつかり9.3%
ぜんぜん6.8%
まるきり6.2%
まるつきり3.7%
まるっきり3.7%
まる3.1%
ぜん/\2.5%
まったく2.5%
さっぱり1.2%
まるまる1.2%
さらり1.2%
すっか1.2%
ぜん/″\1.2%
てんで1.2%
さつぱり0.6%
からっきし0.6%
から0.6%
がらっと0.6%
すっぱり0.6%
すッかり0.6%
すツかり0.6%
そっくり0.6%
そつくり0.6%
ぱったり0.6%
まった0.6%
まつたく0.6%
まるっ0.6%
まる/\0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今朝、暗いうちに呼びかけられた時とは全然(まるで)違った……否あの時よりも数層倍した、息苦しい立場に陥(おとしい)れられてしまったのであった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
少し様子を見て若(も)し悪いようなら森川さんを呼ぶ積りだった。けれども九時頃には全然(すっかり)直ってしまったから乃公は遊びに出掛けた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
でも矢張り女で、やがて全然(すつかり)醉つて了つて、例の充分に發達して居る美しい五躰(からだ)の肉には言ひやうもなく綺麗な櫻いろがさして來た。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
「あいつは己(おれ)の財産(ざいさん)に惹着(ひきつ)けられてゐるんだ。」大久保(おほくぼ)はいつかさう言(い)つてゐたけれど、竹村(たけむら)には其意味(そのいみ)が全然(ぜんぜん)不可解(ふかかい)であつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
大槻が転居するという噂は、私にとって全然(まるきり)、他事(よそごと)のようには思われなかった、私はそれとなく駅長の細君に、聞いて見たが噂は全く事実であった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
「此(こ)んでもまさか、此(こ)の村落(むら)だつて隨分(ずいぶん)かぶつた處(ところ)も有(あ)んだから全然(まるつきり)なんともねえつちこともねえがねえ」南(みなみ)の女房(にようばう)は聲(こゑ)を低(ひく)くしていつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そうしたらネ、アノなんですッて、私の言葉には漢語が雑(ま)ざるから全然(まるっきり)何を言ッたのだか解りませんて……真個(ほんと)に教育のないという者は仕様のないもんですネー
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
生娘(きむすめ)だ生娘だ、この女は! お紋とは異(ちが)う、全然(まる)で異う! ……胸の円さ、乳房のふくよかさ! ……そうして何んと清浄なんだ! ……見たこともない
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
余(よ)は曾(かつ)て如此(かくのごと)き事を試(こゝろ)みし事なし、否(い)な試(こゝろ)みて其(その)甚(はなは)だ馬鹿気(ばかげ)切(きつ)たる事を認(みと)めたれば全然(ぜん/\)之を放棄(はうき)せり、道(みち)を行(おこな)ふ事(こと)是(こ)れ道(みち)を説(と)く事なり
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
それならば大友はお正さんに恋い焦がれていたかというと、全然(まったく)、左様(そう)でない。ただ大友がその時、一寸左様(そう)思っただけである。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
金城鉄壁ならざる丸善の店が焼けるに決して不思議は無い筈だが、今朝焼けるとも想像していないから、此簡単な仮名七字が全然(さっぱり)合点(のみこ)めなかった。
然し、全然(まるまる)蹈むのもさすがに不便(ふびん)との思召(おぼしめし)を以つて、そこは何とか又色を着けて遣らうさ。まあまあ君達は安心してゐたまへ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紅蓮白蓮の香(にほひ)ゆかしく衣袂(たもと)に裾に薫り来て、浮葉に露の玉動(ゆら)ぎ立葉に風の軟(そよ)吹(ふ)ける面白の夏の眺望(ながめ)は、赤蜻蛉菱藻(ひしも)を嬲(なぶ)り初霜向ふが岡の樹梢(こずゑ)を染めてより全然(さらり)と無くなつたれど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
で、斌も峰松も、佐藤とお君との恋愛を酷(ひど)く嫌ったのは云う迄も無い。二人は塾の事に冷淡になった。是が直ちに影響し塾生の数が頓(とみ)に減った。すると今度は佐藤の方で全然(すっか)りお冠を曲げて了った。
わが輩(はい)はこれについて一言(げん)辯(べん)じて置(お)きたい。年紀(ねんき)は時間(じかん)を測(はか)る基準(きじゆん)の問題(もんだい)である。これは國號(こくがう)、姓名(せいめい)などの固有名(こゆうめい)の問題(もんだい)とは全然(ぜん/″\)意味(いみ)が違(ちが)ふ。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
いないとも……浮浪人狩なんか遣っているところを見ると、この事件の性質なんか全然(てんで)問題にしないで、見当違いの当てズッポーばっかり遣っているらしいんだね。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
就いてはこれといふ証拠が無くちや口が出ませんから、何とか其処(そこ)を突止めたいのだけれど、私の体(からだ)ぢや戸外(おもて)の様子が全然(さつぱり)解らないのですものね
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
野郎が有難い事を云ったってかんかん虫手合いは鼾をかくばかりで全然(からっきし)補足(たし)になら無えってんで、工場長開けた事を思いつきやがった、女ならよかろうてんだとよ。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
『さあ、この怪我人を何うして下さる』というような次第(わけ)で、今度は車屋仲間が私達を取り巻きました。江戸っ子も斯うなると全然(から)意気地がありません
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
皆(みんな)の御機嫌は既に全然(がらっと)変っている。して見ると時(たま)には川に落ちるのも、大阪の伯父さんの言葉を借りていえば、川に陥(はま)るのも、満更損じゃないと思う。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
つまらぬ心配をした事を全然(すっぱり)咄(はな)して、快よく一笑に付して、心の清いところを見せて、お勢に……お勢に……感信させて、そして自家(じぶん)も安心しようという文三の胸算用は、ここに至ッてガラリ外れた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「それじゃ……それじゃこうしましょう、今までの事は全然(すッかり)……水に……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そんな事(こと)は全然(すツかり)忘(わす)れて了(しま)つて。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
その間に牧羊人大願成就忝(かたじけ)ないと、全然(そっくり)その金を窃(ぬす)み得た(ハーンの『アルバニッシュ・スチュジエン』巻一)。
大(たい)した事は無いがこの家は全然(そつくり)お前に譲るのだ、お前は矢張(やはり)私の家督よ、なう。で、洋行も為せやうと思ふのだ。必ず悪く取つては困るよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すると一月半ばかり前からお秀は全然(ぱったり)局に出なくなった。初は一週間の病気届、これは正規で別に診断書が要(い)らない、其次は診断書が付(つい)て五週間の欠勤。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さて大友はお正(しょう)に会ったけれど、そして忘れ得ぬ前年の夜(よ)と全然(まった)く同じな景色に包まれて同じように寄添うて歩きながらも、別に言うべき事がない。却ってお正は種々の事を話しかける。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「いや、それが出來ないのではなからう、爲(せ)んのだらう。負債も平氣、催促も平氣、嘲罵も近隣の評判も全然(まつたく)平氣なんだからな。少しも氣にかからんのだからな。」
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
贋物(がんぶつ)や疑物ということは、折々耳にしないこともないのですが、それが案外多いらしい様子です。全然(まるっ)きりの私の贋物もありますが、一とう多いらしいのは直し物です。
迷彩 (新字新仮名) / 上村松園(著)
三ヶ日(にち)は與吉(よきち)も穢(きたな)い衣物(きもの)を棄(す)てゝ、おつぎも近所(きんじよ)で髮(かみ)を結(ゆ)うて炊事(すゐじ)の時(とき)でも餘所行(よそゆき)の半纏(はんてん)に襷(たすき)を掛(か)けて働(はたら)いた。勘次(かんじ)は三ヶ日(にち)さへ全然(まる/\)安佚(あんいつ)を貪(むさぼ)つては居(ゐ)なかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)