“隔(へ)” の例文
四十男(しゞふをとこ)の水呑百姓(みづのみひやくしやう)と思(おも)つたのは、學校(がくかう)より十町ばかり隔(へ)だつて居(ゐ)る松林(まつばやし)の奧(おく)に一構(ひとかまへ)の宅地(たくち)を擁(よう)し、米倉(べいさう)の三棟(みむね)を並(なら)べて居(ゐ)る百姓(ひやくしやう)、池上權藏(いけがみごんざう)といふ男(をとこ)で、大島小學校(おほしませうがくかう)の創立者(さうりつしや)、恩人(おんじん)
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
すると廊下を一つ隔(へ)だてた、同じ水に臨んだ小室(こべや)の方で、やがて小夜子がお愛相(あいそ)笑いしていると思ったが、しばらくすると再び庸三たちの方へ戻って来た時には、ビイルでも呑(の)んだものらしく
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
寄(よ)る邊(べ)なき御身(おんみ)憐(あは)れやとの情(じやう)やう/\長(ちやう)じては、我(わ)れ一人(ひとり)をば天(あま)が下(した)の頼(たの)もし人(びと)にして、一にも松野(まつの)二にも松野(まつの)と、隔(へ)だてなく遠慮(ゑんりよ)なく甘(あま)へもしつ㑃強(すね)もしつ、睦(むつ)れよる心(こゝろ)愛(あい)らしさよと思(おも)ひしが
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)