“隔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へだ62.2%
へだた13.9%
へだて9.1%
お7.5%
はな2.4%
へだゝ0.9%
へだたり0.7%
へ0.7%
おき0.4%
かく0.2%
た0.2%
となり0.2%
なか0.2%
へたて0.2%
へだゝり0.2%
へな0.2%
ソ0.2%
トホ0.2%
ヘナ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風呂場の隣は廊下を隔(へだ)てた二疊の部屋で、内儀の妹のお君といふのが、姉が風呂場から出て來るのを、此處で待つて居たことでせう。
この東嶺寺と云うのは松平家(まつだいらけ)の菩提所(ぼだいしょ)で、庚申山(こうしんやま)の麓(ふもと)にあって、私の宿とは一丁くらいしか隔(へだた)っていない、すこぶる幽邃(ゆうすい)な梵刹(ぼんせつ)です。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
思ひ付お兼に對(むか)ひ扨々其方の智慧(ちゑ)の程感心(かんしん)せり其働(はたらき)にては女房にしても末頼母敷(もしく)思ふなり夫に就(つい)て爰に一ツの相談あり夫婦の中に隱し隔(へだて)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かぢ「おう/\大層黒血が流れる、私の宅(うち)はツイ一軒隔(お)いて隣だが、直(すぐ)に癒る宜(い)い粉薬(こぐすり)が他処(よそ)から貰って来てあるから宅へおいで」
わしら人間はどんな深山に分け入っても、一度人間として暮したことのあるものは、どこまでも人間を隔(はな)れることのできぬものじゃ。
あじゃり (新字新仮名) / 室生犀星(著)
さうした私共の間にまだとれない隔(へだゝ)りがある理由(わけ)の一つは彼が割合に家庭にゐることが少なかつたのにもよつた。
青春の美しさと、希望とに輝きながら、肩をならべて歩いた二年前の恋人同士として、其処に何と云ふおそろしい隔(へだたり)が出来たことだらう。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
四十男(しゞふをとこ)の水呑百姓(みづのみひやくしやう)と思(おも)つたのは、學校(がくかう)より十町ばかり隔(へ)だつて居(ゐ)る松林(まつばやし)の奧(おく)に一構(ひとかまへ)の宅地(たくち)を擁(よう)し、米倉(べいさう)の三棟(みむね)を並(なら)べて居(ゐ)る百姓(ひやくしやう)、池上權藏(いけがみごんざう)といふ男(をとこ)で、大島小學校(おほしませうがくかう)の創立者(さうりつしや)、恩人(おんじん)
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
これを笑ふけれど、遊佐の如きは真面目(まじめ)で孝経を読んでゐるのだよ、既に借りてさ、天引四割(てんびきしわり)と吃(く)つて一月隔(おき)に血を吮(すは)れる。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
日枝(ひえ)神社の山王祭と共に、御用祭又は天下祭と言はれ、隔(かく)年に行はれたこの威儀は、氏子(うぢこ)中の町々を興奮の坩堝(るつぼ)にし、名物の十一本の山車(だし)が、人波を掻きわけて、警固の金棒の音、木遣(きや)りの聲
怖(おっか)ねえこんだと思って居ると、又一日隔(た)って神田旅籠町から出た火事は、前(ぜん)申上げました通り故、角右衞門も馬喰町を焼け出され、五八は大きな包を脊負(しょ)ってせっ/\と逃げ出しましたが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
明(あけ)しに驚き偵(さす)が旅宿屋(やどや)の主人だけ宵(よひ)に斷(ことわ)りもなき客の急(きふ)に出立せしは何(いか)にも不審(ふしん)なりとて彼の座敷を改(あらた)めしに變(かは)る事も無(なけ)れば隔(となり)座敷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『熟睡(うまい)』を隔(なか)に
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
其代(そのかは)りに奧壁(おくかべ)から一尺(しやく)二寸(ずん)隔(へたて)て、一列(れつ)に石(いし)が並(なら)べてあり、それから三尺(じやく)を隔(へだて)て、又(また)第(だい)二列(れつ)の石(いし)が列(なら)べてある。其間(そのあひだ)に、人骨(じんこつ)の腐蝕(ふしよく)したのが二三體(たい)泥(どろ)の如(ごど)くなつて横(よこた)はつて居(ゐ)る。鐵鏃(てつぞく)がある。
が、趣味や思想の上では、自分の間に手の届かないやうに、広い/\隔(へだゝり)が横はつてゐる。天気の話や、衣類の話や、食物の話をするときには立派な話相手に違ひない。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
金なければ憎し隔(へな)れば恋しちふかかるをかしき事あらめやも
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
倭(ヤマト)べに西風(ニシ)吹きあげて 雲離(クモバナ)れ 隔(ソ)き居りとも 我忘れめや(くろ媛——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其が、神に託せられて伝達する聖者の口を隔(トホ)してゞも、神自身発言するのとおなじ結果を表す。其が更に、聖者に代つて、神言を伝達する聖者の親近の人々の口を越しても、同様の効果を示す。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「山川を中に隔(ヘナ)りて遠し」といふ発想法は、極めて古くからあり
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)