“泊(は)” の例文
依つて更に還つて、但馬(たじま)の國に船泊(は)てをし、その國に留まつて、但馬のマタヲの女のマヘツミと結婚して生(う)んだ子はタヂマモロスクです。
「大御舟(おほみふね)泊(は)ててさもらふ高島の三尾(みを)の勝野(かちぬ)の渚(なぎさ)し思ほゆ」(巻七・一一七一)、「朝なぎに舳(へ)向け榜(こ)がむと、さもらふと」(巻二十・四三九八)等の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
師走業(しはすがふ)我が家(や)の市は大歳(おほどし)と千石船の群(む)れて泊(は)てにし
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
けふよりの妻(め)と来て泊(は)つる宵の春
俳句は老人文学ではない (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
處々(しよ/\)に連りて泊(は)てたる船の如し。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
いづこにか泊(は)てつる船ぞ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
泊(は)つるや小舟(をぶね)船越(ふなごし)の
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
泊(は)ててうつれる
短歌集 日まはり (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
かれその國より上り行(い)でます時に、浪速(なみはや)の渡(わたり)一を經て、青雲二の白肩(しらかた)の津三に泊(は)てたまひき。この時に、登美(とみ)の那賀須泥毘古(ながすねびこ)四、軍を興して、待ち向へて戰ふ。
「珠洲郡より発船(ふなで)して治布(ちふ)に還(かへ)りし時、長浜湾(ながはまのうら)に泊(は)てて、月光を仰ぎ見て作れる歌一首」という題詞と
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
神助の凪に艦(ふね)泊(は)てて月落ちかかるバイヤス灣
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
『船には泊(は)つる港あり。』
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
來て泊(は)てる
駱駝の瘤にまたがつて (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
「磯の埼榜(こ)ぎたみゆけば近江(あふみ)の海(み)八十(やそ)の湊(みなと)に鶴(たづ)さはに鳴く」(巻三・二七三)、「吾が船は比良(ひら)の湊に榜ぎ泊(は)てむ沖へな放(さか)りさ夜(よ)ふけにけり」(同・二七四)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
日向の國の諸縣(もらがた)の君が女、名は髮長(かみなが)比賣それ顏容麗美(かほよ)しと聞こしめして、使はむとして、喚(め)し上げたまふ時に、その太子(ひつぎのみこ)大雀の命、その孃子(をとめ)の難波津に泊(は)てたるを見て
雄(を)たけびぞ今あがる、御船(みふね)泊(は)てぬ。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おもひぞ泊(は)つる青葉かげ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ここに天の日矛、その妻(め)の遁れしことを聞きて、すなはち追ひ渡り來て、難波に到らむとする間(ほど)に、その渡の神塞(さ)へて入れざりき。かれ更に還りて、多遲摩(たぢま)の國四に泊(は)てつ。
セミョノフの砲艦(はうかん)ひとつ泊(は)てゐるを背向(そがひ)にしつつ我は急(いそ)げり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
雄(を)たけびぞ今あがる、御船(みふね)泊(は)てぬ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)