“汝(わ)” の例文
なんてのたくり/\歸(けえ)つて來(く)んだ、さうすつと又(また)駄目(だめ)だ汝(わ)りや復(ま)た行(い)つて來(こ)う、直(すぐ)に來(こ)うつて云(ゆ)ふんだぞなんて怒(おこ)つた見(み)てえになあ
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「汝(わ)いらはいったい、何のために、かくは勝家の討って出るを、阻(はば)めるのか。勝家を迎えるあいだに、なぜ目に見えている敵を支(ささ)えぬか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「俺(お)らがも困るだ。汝(わ)れが困ると俺らが困るとは困りようが土台ちがわい。口が干上(ひあが)るんだあぞ俺(おら)がのは」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
車「汝(わ)れ方(ほう)が狡猾だ」
汝(わ)りや何時(いつ)でも何(なん)ちつた、おとつゝあげは決(けつ)して心配(しんぺえ)掛(か)けねえからつて云(ゆ)つたんぢやねえか、そんでも汝(わ)りや心配(しんぺえ)掛(か)けねえのか
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お眼を怒らせて、愚鈍な奴かな、そんな性根で、なんで一道を習(まな)びえようぞ、それでも汝(わ)れは、人なみの子か。もう破門じゃ。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「黙れってば。物いうと汝(わ)れもたたき殺されっぞ」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「おつかあが見(め)えんだかも知(し)んねえ、さうら明(あか)るく成(な)つた。汝(わ)りや※(ねえ)に抱(だ)かさつてんだ。可怖(おつかねえ)ことあるもんか」卯平(うへい)は重(おも)い調子(てうし)でいふのである。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「——武蔵ッ、武蔵ッ、汝(わ)れは武士の道を知らぬのかッ、知らずば、教えてやろう。まいちど、ここへ寄って来うッ」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「武蔵! ……汝(わ)れは、似非(えせ)善人じゃの。そのような甘い言葉に騙(たぶら)かされて、怨みを解くようなわしではないぞ。……無駄なこと、耳うるさいわい」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この童(わっぱ)めッ。そげな悪性(あくしょう)な真似(まね)しさらすと、汝(わ)れが父者(ててじゃ)のように、汝(わ)れも今に、闇討ち食ってくたばりさらすぞ」
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに、糧道を断ったと。何のために、汝(わ)れはその守りに立っているのか。木像め、——忙牙長(ぼうがちょう)を呼べ、忙牙長を」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なにをそう不機嫌にわしへ当りちらすのじゃ、汝(わ)が身のように、生みの親のいうことを、いちいち根に持って遺恨がましゅう当る者がどこにあろうぞ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「汝(わ)れのことを、何日(いつ)もみんなが、唐人子(とうじんこ)、唐人子って、揶揄(からか)うだろが。おらは揶揄ったことなんかあるかい」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「汝(わ)れ、突ッ走って、分家の兄(あ)んちゃまを呼んで来う。河原の権叔父(ごんおじ)にも、すぐ来てくれというて来るのじゃ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よいか、幾年でも、辛抱して、汝(わ)れの亡父(ちち)良持へ、わしらが顔向けのなるように、一かどの男になって帰れよ
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わからいでか、子を見ること親に如(し)かずじゃ。汝(わ)れのような子を持ったが、本位田家の不作というもの」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わしを伴(つ)れて、その吉岡の四条道場とやらへ案内してほしい。——直ぐにじゃ、汝(わ)れも支度したがよい」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、ご母堂も、ご夫人も、お子様たちも、呂布の手にゆだねたまま、汝(わ)れひとり落ちてきたのかっ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝(わ)れが、宮本村を逐電(ちくでん)して以来、指折り数うればもう五年、どれほど捜すに骨を折ったことか。清水寺へ日参のかいあって、ここでわれに会うたることのうれしさよ。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のう、お通阿女(あま)よ、なんで汝(わ)れは、ばばの姿を見るとそのように逃げるのじゃ。以前、三日月茶屋でもそうじゃったが、今も、わしを鬼かのように、すぐ逃げなさる。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝(わ)れの体は、いまの乞食尼から、おれが買ってやったぞ。てめえは、倖せなやつだよ。おれが買ってやらなければ、いずれは遠国の奴隷(ひと)買いに渡されるにきまっている。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——おれが抑えていればこそだが、押ッ放したら、汝(わ)れのどこへ噛ぶりつくかも知れぬぞよ」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「汝(わ)れは元、村では武蔵といい、この婆などは、悪蔵と称(よ)んでいたものじゃが、今では、名を変えているそうじゃの、宮本武蔵(むさし)と。——えらそうな名わいの。……ホ、ホ、ホ」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老いたりといえども淵川権六まだまだ、汝(わ)れが如き小僧におくれは取らぬ。さあ、覚悟
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くれてやる。汝(わ)れは、校尉ってえ官職につかせてやろう。なおなお、おれのために、働けよ。——今夜はひとつ祝え。なに、酒がねえと。どこか村へ行って探して来い。たいがい床下を
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だまれ。用事は、汝(わ)れにあるわけじゃない。汝れは、さっさと帰る方へ帰れ」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「口ぎたない餓鬼よ、汝(わ)れの師匠は、そういう行儀を教えてか」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「丙太、汝(わ)れ、おばばに代って、ここで桑摘(つ)んどれ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「汝(わ)れは、泣いてもおらぬが——悲しゅうないのか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おう、丙太(へいた)よっ、汝(わ)れ、お寺へ行ったのけ?」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……汝(わ)れは、たしかに、横山へ行ったのか」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「チビ。汝(わ)れや何だ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)