“旨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うま56.3%
むね34.0%
うめ4.3%
おい1.1%
うも0.8%
う0.6%
おいし0.6%
ムネ0.6%
よ0.4%
し0.2%
あま0.2%
い0.2%
ウマ0.2%
いし0.2%
みむね0.2%
むま0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
したがってしっかりした御話らしい御話をしなければならない訳でありますが、どうもそう旨(うま)く行かないからはなはだ御気の毒です。
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼らを歓迎する旨(むね)を述べてくれた老中牧野備後こそかつては皇帝の師傅(しふ)であり現に最も皇帝の信任を受けつつある人と信じたという。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そこでお撮(つま)で召食(めしあが)る、む、これは旨(うめ)え。」と舌鼓、「餓鬼泣(ほ)えめえよ。」と小児(こども)にも与えて散々に喰散らす、怪(け)しからぬことなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
千代子が粥(かゆ)を一匙(ひとさじ)ずつ掬(すく)って口へ入れてやるたびに、宵子は旨(おい)しい旨しいだの、ちょうだいちょうだいだのいろいろな芸を強(し)いられた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
健ちゃん、一遍軽井沢(かるいざわ)で蕎麦を食って御覧なさい、騙(だま)されたと思って。汽車の停(とま)ってるうちに、降りて食うんです、プラットフォームの上へ立ってね。さすが本場だけあって旨(うも)うがすぜ
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
旨(う)まそうに深く吸って吐き出した煙りが、乳色のホヤを繞(めぐ)ってまだ消えぬ間(ま)に、陰士の足音は椽側(えんがわ)を次第に遠のいて聞えなくなった。主人夫婦は依然として熟睡している。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ああ、旨(おいし)かった。さあ、お酌。いいえ、毒なものは上げはしません、ちょっと、ただ口をつけて頂戴。花にでも。」
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
検案ノ医師カ右ハ生前ノ切傷ニシテ死因ヲ為(ナ)シ、尚(ナオ)腹部ニ多少ノ水ヲ蔵セルハ、殺害ト同時ニ水中ニ投棄セラレタルモノナル旨(ムネ)ヲ断定セルニ依(ヨ)リ、茲(ココ)ニ大事件トシテ俄ニ捜査官ノ活動ハ始マレリ。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
静かに坐って居るのと違い何分にも旨(よ)く切れぬ夫(それ)だから背中に縦の傷が幾個(いくつ)も有る一方は逃げ一方は追う内に梯子段の所まで追詰た、斯うなると死物狂い
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
珙(こう)と道衍とは本(もと)より互(たがい)に知己たり。道衍又嘗(かつ)て道士席応真(せきおうしん)を師として陰陽術数(いんようじゅっすう)の学を受く。因(よ)って道家の旨(し)を知り、仙趣の微に通ず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
夏は氷盤(ひょうばん)に莓(いちご)を盛って、旨(あま)き血を、クリームの白きなかに溶(とか)し込むところにある。あるときは熱帯の奇蘭(きらん)を見よがしに匂わする温室にある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
姉は茶を淹(い)れる。土産の包を開くと、姉の好きな好きなシュウクリーム。これはマアお旨(い)しいと姉の声。で、暫(しばら)く一座はそれに気を取られた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
旨(ウマ)いものを食ふのが生命保全の上に於て愉快であるから食ふのである、併し何故旨(ウマ)い乎何故愉快である乎といふ道理を究めんとするならば
進化学より見たる哲学 (旧字旧仮名) / 加藤弘之(著)
三郎さんは、台所へ駈けて行つて、牛乳壜(ぎうにゆうびん)に残つてゐる乳を、椀へうつして持つて来ました。小猫は、三郎さんの持ちそへてゐるお椀の乳を、大そうお旨(いし)さうにチウチウ音をたてゝ飲みました。
身代り (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
「すべての事は神の旨(みむね)に依(よ)りて招(まね)かれたる神を愛する者のために悉(ことごと)く働きて益をなすを我らは知れり」(ロマ書八の二十八)とのパウロの言は、すなわちキリスト者の実験である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
棒砂糖少し持てきたりしが、煮物に使(つか)わんこと惜(お)しければ、無しと答えぬ。茄子(なす)、胡豆(いんげん)など醤油のみにて煮て来ぬ。鰹節(かつおぶし)など加えぬ味頗旨(むま)し。酒は麹味を脱せねどこれも旨し。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)