“旧”のいろいろな読み方と例文
旧字:舊
読み方割合
もと46.3%
ふる42.8%
むかし3.3%
きゅう2.3%
ふ2.0%
も0.8%
フル0.8%
モト0.8%
きう0.5%
ひさ0.3%
さき0.3%
ふり0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(御宅の御新造様(さん)は、私(わし)ン処(とこ)に居ますで案じさっしゃるな、したがな、また旧(もと)なりにお前の処へは来ないからそう思わっしゃいよ。)
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かるが故に、新たなる啓示が出現した時には、先(ま)ず以(もっ)て、旧(ふる)い啓示の上に築き上げられた迷信の大部分を掃蕩(そうとう)するの必要に迫られる。
小父さんの周囲(まわり)にある人達で旧(むかし)を守ろうとしたものは大抵凋落(ちょうらく)してしまった。さもなければ後(おく)れ馳(ば)せに実業に志したような人達ばかりだ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
当時、諭吉は旧(きゅう)中津藩(なかつはん)の士族にして、夙(つと)に洋学(ようがく)に志し江戸に来て藩邸内(はんていない)に在りしが、軍艦の遠洋航海(えんようこうかい)を聞き、外行(がいこう)の念(ねん)自(みず)から禁ずる能(あた)わず。
そこには旧(ふ)るくさい不自由な式たり、何とも知れず厭(いや)な様々な因縁(いんねん)——邪魔をするものが何もない。思ひのまゝに力一ぱいに仕事をすることが出来る!
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
これは旧(も)と同僚で有ッた山口某(なにがし)という男で、第一回にチョイト噂(うわさ)をして置いたアノ山口と同人で、やはり踏外し連の一人。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こんな溜め息を洩しながら、大伴氏の旧(フル)い習しを守つて、どこまでも、宮廷守護の為の武道の伝襲に、努める外はない家持だつたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
家に、防ぐ筈の石城(シキ)が失せたからだと、天下中の人が騒いだ。其でまた、とり壊した家も、ぼつ/″\旧(モト)に戻したりしたことであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
能く一行を輔助(ほじよ)せしことを謝(しや)し、年々新発見にかかる文珠菩薩(もんじゆぼさつ)の祭日には相会して旧(きう)を語(かた)らんことを約(やく)し、袂(たもと)を分(わか)つこととはなりぬ。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
左内いよいよ興に乗じて、霊(れい)の議論きはめて一三〇妙なり。旧(ひさ)しき疑念(うたがひ)も今夜(こよひ)に消(せう)じつくしぬ。試(こころみ)にふたたび問はん。
主(あるじ)夫婦を併(あは)せて焼亡(しようぼう)せし鰐淵(わにぶち)が居宅は、さるほど貫一の手に頼(よ)りてその跡に改築せられぬ、有形(ありがた)よりは小体(こてい)に、質素を旨としたれど専(もつぱ)ら旧(さき)の構造を摸(うつ)して差(たが)はざらんと勉(つと)めしに似たり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
母「はい、お前方も旧(ふり)い馴染でがんしたけんども、今度が別れになります、はい有難うござえます、多助や誰か若(わけ)え者(もん)が大勢来たよ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)