“喰入”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くいい66.7%
くひい33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
からっきしそれには「芸」の何たるかが分っていなかった。ということはでてくる人物の心持ちへ喰入(くいい)るすべを露ほどもわきまえていなかった。何ともいえない哀れ惨憺たるその……。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
ふと、この街をめぐる、或る大きなものの構図が、このとき正三の眼に描かれて来だした。……清冽(せいれつ)な河川をいくつか乗越え、電車が市外に出てからも、正三の眼は窓の外の風景に喰入(くいい)っていた。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
然(さ)う斯(か)うして居(ゐ)る間(うち)に、松下(しようか)南面(なんめん)の方(はう)は大概(たいがい)掘(ほ)り盡(つく)して了(しま)つた。余(よ)は九月(ぐわつ)二日(か)幻翁(げんおう)佛子(ぶつし)の二人(にん)と共(とも)に行(ゆ)つて、掘(ほ)らうとしたが、既(も)う余(よ)の坑(あな)は、松(まつ)の木(き)の根方(ねかた)まで喰入(くひい)つて了(しま)つて、進(すゝ)む事(こと)が出來(でき)ぬ。