“ヲ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:を
語句割合
男16.1%
招10.7%
丘7.1%
居7.1%
峰5.4%
麻5.4%
已5.4%
食3.6%
小3.6%
尾3.6%
愛3.6%
完1.8%
苧1.8%
了1.8%
坐1.8%
峯1.8%
嶺1.8%
座1.8%
怯1.8%
惜1.8%
折1.8%
竟1.8%
終1.8%
緒1.8%
訖1.8%
飮1.8%
飲1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平安朝の文献に、宮廷では、此人形と、一つの名前と思はれる「才(サイ)の男(ヲ)」といふのが見える。御神楽(ミカグラ)の時に出る者である。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
靈(タマ)は言ふまでもないが、をがは「招(ヲ)ぎ」と關係あるものと見たに違ひない。さすれば、にう木にまれびとを迎へる意の含まれて居ることは推せられる。
磯城長尾市ノ宿禰と言ふ家は、長い丘(ヲ)の末に、市があつた為でせう。此が、穴師の山人の初めと言はれる人です。布留の市もさうで、大倭の社に関係があります。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
護送ニ及バズ、途上、ソノ居(ヲ)ル所ニオイテ、死罪ニ処セ。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
峰の松原も、空樣(ソラザマ)に枝を掻き上げられた樣になつて、悲鳴を續けた。谷から峰(ヲ)の上(ヘ)に生え上(ノボ)つて居る萱原は、一樣に上へ/\と糶(セ)り昇るやうに、葉裏を返して扱(コ)き上げられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
ほう/\と切れてしまふ藕絲(ハスイト)を、八合(コ)・十二合(コ)・二十合(ハタコ)に縒つて、根氣よく、細い綱の樣にする。其を績(ウ)み麻(ヲ)の麻(ヲ)ごけに繋ぎためて行く。奈良の御館(ミタチ)でも、蠶(カフコ)は飼つて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
既に見已(ヲ)へば目を閉開するも、皆明了ならしめよ。是を日想となし、名づけて、初觀といふ。
山越しの阿弥陀像の画因 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
食(ヲ)すといふのは、食(ク)ふの敬語である。今では、食(ヲ)すを食(ク)ふの古語の様に思うて居るが、さうではない。食国(ヲスクニ)とは、召し上りなされる物を作る国、といふ事である。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さ庭べに盛りゐし小(ヲ)草 うすらぎて、その花ともし。秋風吹くに
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
尾(ヲ)根を越えつゝ つぎの峡(カヒ)見ゆ
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
秋葱(キ)の甚重(イヤフタ)ごもり 愛(ヲ)しと思ふ(仁賢紀)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此によりてたゝへ言(コト)完(ヲ)へまつらば、皇御孫(スメミマ)の尊の朝廷(ミカド)に御心暴(いちはや)び給はじとして……天つのりとの太のりと言をもちて、たゝへ言完(ヲ)へまつらくと申す。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
又「千年をかねて、たぬしき完(ヲ)へめ」(古今巻二十)なども、新年宴の歓楽を思ふばかりでなく、寿詞によつて、天子の寿の久しさを信じ得た人の、君を寿しながら持つ豊かな期待である。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
麻は播(マ)くとも苧(ヲ)になるな。嵐ふくな、と申し置かれしより、花は咲けども桃ならず。麻は播けども苧にならず。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
麻は蒔くとも苧(ヲ)になるな。穴生の里の九助怨し。……桃故命捨つるかや。我は死すとも、此桃の花は咲くとも、実はなるな。穴生の里のあらむ限りは、と怨み喞ちし言の葉の木にも心のあるならむ。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
歌い了(ヲ)へた姥は、大息をついて、ぐつたりした。其から暫らく、山のそよぎ、川瀬の響きばかりが、耳についた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
井光(ヰヒカ)の「ひか」も、其らしい。ひかの音転がひなで、夷の住居地方に当る。とねりは、をさと同じ語原のとね即、外根からの刀禰と、「折り」か「坐(ヲ)り」の融合したものらしい。
湯に入りて向ふ 向つ峯(ヲ)の空
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
東の低き山の嶺(ヲ) 夕鳥の越えゆきてより、時たちにけり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
ぬえ子鳥うら歎(ナゲ)居れば、玉だすきかけのよろしく、遠つ神我大君の、いでましの山ごしの風の、獨り座(ヲ)る我衣手に、朝夕にかへらひぬれば、ますらをと思へる我も、草枕旅にしあれば
万葉集を読む (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
荒繩ノ鉢巻ナドムズト締メ、熊手、鉞(マサカリ)ナド前後ヲカタメ、常ニ同行二十人バカリニテ押通ルヲ、「アレコソ、当時世ニ聞ユル茨組ゾ。辺リヘ寄ルナ、物言フナ」トテ人々怯(ヲ)ヂ怖レテ道ヲヒラキケル。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仰ひで死なんと思ふに今の苦しみにくらぶれバ我か命つゆ惜(ヲ)し(〈原〉)からず いで一生の晴れに死別会と云ふを催ほすも興あらむ 試にいはゞ日を限りて誰彼に其の旨を
牡丹句録:子規病中記 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
折(ヲ)れ柱(バシラ)と言ふのが、其である。いまだに、八本共に揃うてゐる。渡良の大島・渡良の神瀬(カウゼ)・黒崎の唐人神(タウジンガミ)の鼻・勝本の長島・諸津・瀬戸・八幡の鼻・久喜の岸と、八个処に在る訣である。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
八百稲千稲にひき据ゑおきて、秋祭爾奉〔牟止〕…参聚群(マヰウゴナハ)りて…たゝへ詞竟(ヲ)へまつる……(龍田風神祭)
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
抑(そもそも)此集、初(はじめ)ニ雄略舒明両帝ノ民ヲ恵マセ給ヒ、世ノ治マレル事ヲ悦ビ思召ス御歌ヨリ次第ニ載(のせ)テ、今ノ歌ヲ以テ一部ヲ祝ヒテ終(ヲ)ヘタレバ、玉匣(たまくしげ)フタミ相称(カナ)ヘル験(しるし)アリテ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
まな柱 学びの父と、あらたまの この年ごろを 泣く子なす 慕ひまつりて、うるはしみ思へるものを、白玉の五百箇(イホツ)つどひの緒(ヲ)絶(タ)えして……
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
故、出雲に到りまして、大神を拝み訖(ヲ)へて、還りのぼります時に、肥河の中に黒樔橋(クロキノスバシ)を作り、仮宮を仕へ奉りて、坐(マ)さしめき。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
このみ酒(キ)は、わがみ酒(キ)ならず。酒(クシ)の神、常世にいます、石(イハ)立たす少名御神の、神壽(カムホ)ぎ壽(ホ)ぎ狂ほし、豐壽(トヨホ)ぎ壽ぎ𢌞(モトホ)し、獻(マツ)り來しみ酒(キ)ぞ。涸(アサ)ず飮(ヲ)せ。ささ(仲哀記)
この御酒(ミキ)は、吾が御酒(ミキ)ならず。くしの神 常世(トコヨ)に坐(イマ)す いはたゝす すくな御神(ミカミ)の、神寿(カムホキ) 寿(ホ)きくるほし、豊ほき 寿(ホ)き廻(モト)ほし、まつり来(コ)し御酒ぞ。あさず飲(ヲ)せ。さゝ(仲哀記)
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)