“なく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナク
語句割合
亡28.9%
失24.3%
紛失9.2%
歿6.6%
泣5.9%
無5.3%
鳴5.3%
啼3.3%
死2.6%
喪失2.0%
逝去2.0%
喪1.3%
没1.3%
哭0.7%
死亡0.7%
逝0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いいえ、三年前の秋の事さ、その後(のち)御新姐さんもお亡(なく)なんなすったそうだもの、やっぱり御病気の処へ、そんなこんなが障ってさ。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「貰って置かなければ路頭に迷う人間ですって。喧嘩をして首になる度(たんび)に食い込んで、悉皆(すっかり)失(なく)してしまった頃、漸く人生が分るんですって」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
紛失(なく)した刀だと思ったらそれを持って何処へでも逃げちめえねえ、己は後(あと)で其の侍と喰い合おうと死に合おうと構わねえからよ
じゃが弟はつい最近、左様あの庭で歿(なく)なったと聞いた。もちろん、敵がこの島まで追撃して来たところで俺が悪いのではない。
町奉行所へ訴(うっ)たえ出たる事ありと、或る老人の話しなるが、それか有(あら)ぬか兎(と)に角(かく)、食物を与えざるも泣(なく)こと無く、加之(しかのみならず)子供が肥太(こえふと)りて、無事に成長せしは、珍と云うべし。
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
却ってこれが間に介(はさ)まらねば、余り両人(ふたり)の間が接近しすぎて穏さを欠くので、お政は文三等の幸福を成すに無(なく)て叶(かな)わぬ人物とさえ思われた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
不図(ふと)、鳥の鳴(なく)音(ね)がする。……いかにも優しい、しおらしい声で、きりきり、きりりりり。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一杯に頬を膨らし、呻(うな)って啼(なく)真似をすると、ごく低声(こごえ)、膳の上へ頤(あぎと)を出して
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その父親(てておや)は早くに死(な)くなつてか、はあ母(かか)さんが肺結核といふを煩(わづら)つて死(なく)なりましてから一週忌の来ぬほどに跡を追ひました、今居りましても未(ま)だ五十
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そうよ。この世に興味を喪失(なく)してしまった人間の粕(かす)みたいな人間が、みんな主義者になるのよ」
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「おおこれはどうしたのだ、大先生が歩いておられる。大先生に相違ない。背後姿だが見覚えがある。……とはいえどうにもおかしなことだ、大先生なら去年の四月に、三宅の島で逝去(なく)なられたはずだ!」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「その間にお内儀が喪(なく)なつた、——文三郎はそれを、お半の手に掛つて毒害されたものと早合點して、寺へ手紙などを出したが、お内儀の死んだのは全くの病氣だつた」
此の家に泊り合せると定右衞門が生憎(あいにく)病気で長く煩らって没(なく)なり、後(あと)で薬代(くすりしろ)や葬式料に困って居ります故、宿の主人(あるじ)が金を出して世話を致しましたから恩報じかた/″\此の家に奉公致し
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さいぜん走(はし)りたる者(もの)ども戸板(といた)むしろなど担(かた)げる用意をなしきたり、妻(つま)がもちたる首(くび)をもなきからにそへてかたげければ、人々前後(ぜんご)につきそひ、つま子らは哭(なく)々あとにつきて皈(かへ)りけるとぞ。
お神さんの方は先年死亡(なく)なりまして、今では大師匠一人なんですが、今の師匠の虎松は、実子で有りながら、どうも邪慳(じゃけん)で、ちっとも大師匠の面倒を見ませんので、私は猶更(なおさら)気の毒で成りません。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
その人がずっと私の側へ来て「やあやあ話の様子を聞いて居ったが果たしてそうであった」と大いに悦んで私の手を握られたのが、この間フランスのマルセーユで逝(なく)なられた文学士藤井宣正師(ふじいせんせいし)である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)