“賜(し)” の例文
子貢問いて曰く、賜(し)や如何と。子曰く、汝は器(うつわ)なりと。曰く、何の器ぞやと。曰く、瑚璉(これん)なりと。——公冶長篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
子、子貢に謂(かた)って曰く、汝回と孰(いず)れか愈(まさ)れる。対(こた)えて曰く、賜(し)は何を敢(あ)えて回を望まん、回は一を聞いて以て十を知る、賜は一を聞いて以て二を知るのみ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
農夫と督耕者と農に益ある禽獣を饗せしは仁の至義の尽なりと『礼記』に讃(ほ)めて居る、子貢(しこう)蜡を観る、孔子曰く賜(し)や栄(たのし)きか、対(こた)えて曰く一国の人皆狂せるごとし、賜その楽しさを知らざるなり
「賜(し)よ、お前はいいところに気がついた。それでこそ共に詩を談ずる資格があるのだ。君は一つのことがわかると、すぐつぎのことがわかる人物だね。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
子曰く、賜(し)や始めて与(とも)に詩をいうべきなり、これに往(す)ぎにしことをつぐれば来たらんことをも知るものなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
孔子は、門人を呼ぶに、名を呼んで決して字(あざな)を呼ばない。(例えば子貢を賜(し)と呼び、子路を由(ゆう)と呼ぶが如く)
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
孔子曰く、君子固(もと)より窮す。小人窮すればすなわち濫(ぬす)(窃)む。子貢、色を作(な)す。孔子曰く、賜(し)よ、爾(なんじ)、予を以て多く学びて識れる者(ひと)となすか。曰く、然(しか)り、非(しから)ざるか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
子貢曰く、詩に云う、切(せつ)するが如く、磋(さ)するが如く、琢(たく)するが如く、磨(ま)するが如しとは、其れ斯(こ)れを之れ謂うかと。子曰く、賜(し)や、始めて与(とも)に詩を言うべきのみ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「賜(し)はもうすいぶん賢い男になったらしい。私にはまだ他人の批評などやっているひまはないのだが。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
賜(し)はまだ天命に安んじないで、財を作るのにかなり骨を折っているようだ。しかし、判断は正しいし、考えさえすれば、道にはずれるようなことはめったにないだろう。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)