“芳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんば30.2%
よし19.8%
かん16.7%
よっ4.2%
よ4.2%
ほう3.1%
かぐ3.1%
かぐわ3.1%
かんばし2.1%
ヨシ1.0%
かう1.0%
かうばし1.0%
かお1.0%
かを1.0%
こう1.0%
こうば1.0%
におい1.0%
にほい1.0%
はう1.0%
よつ1.0%
よッ1.0%
よツ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
穂麦(ほむぎ)の芳(かんば)しい匂がした。蒼白い光を明滅させて、螢が行手を横切って飛んだが、月があんまり明るいので、その螢火は映(は)えなかった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ふみ「お芳(よし)や、そこ開けて遣っておくれ……此方(こっち)だよ、此方へお這入りなさい……あらまア穢い服装(なり)でマア、またお出でなすったね」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ことに女にうつつを抜かしている間に、肝腎(かんじん)のものをしてやられたのでは、あまり芳(かん)ばしい土産話にはならないのです。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
外(そと)は面白いが、勘ちゃんが厭だ。と云って、内でお祖母(ばあ)さんと睨(にら)めッこも詰らない。そこで、お隣のお光(みっ)ちゃんにお向うのお芳(よっ)ちゃんを呼んで来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其方たちも、この世でよき人物に会ったことを徳として、彼の心根に見ならい、おのおの末代にいたるまで芳(よ)き名をのこせよ
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
毎年宇治の銘(めい)を選んで雲上(うんじょう)に献(たてまつ)り、「玉露」と名付けて芳(ほう)を全国に伝ふ。当主を坪右衛門(つぼえもん)と云ひ一男三女を持つ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
落花の季節で櫻が段々のすみずみに吹き寄せられ、波打際の夜明けの景色が其處に見られた。そよかぜは芳(かぐ)はしく暖かさは頬の内からこもつた。
はるあはれ (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
彼女はあかつきのように愛らしく、夕暮れのように美しかったが、非常に他人と異っているのは、その息がペルシャの薔薇の花園よりもなお芳(かぐわ)しい、一種の馥郁(ふくいく)たる香気を帯びていることであった。
縁の上も、床の前も、机の際も、と見ると芳(かんばし)い草と花とで満(みた)されているのである。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、家賃も何もみんな払へたつて本統ですか? 芳(ヨシ)さんなんて善(い)い息子をお持ちなすつたのが何よりお仕合せですネ。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
吸物の蓋(ふた)を取ると走りの松蕈(まつたけ)で、芳(かう)ばしい匂がぷんと鼻に応(こた)へる。給持(きうぢ)の役僧(やくそう)は『如何(どう)だ』といつた風に眼で笑つて、然(そ)して恁(か)う言(い)つた。
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
念(おも)へ、彼等の逢初(あひそ)めし夕(ゆふべ)、互に意(こころ)有りて銜(ふく)みしもこの酒ならずや。更に両個(ふたり)の影に伴ひて、人の情(なさけ)の必ず濃(こまやか)なれば、必ず芳(かうばし)かりしもこの酒ならずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
草芳(かお)る地の新にここに成りしかを疑う心の中のすがすがしさ、更に比えんかたを知らず。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
厨(くりや)に見つけたこの梅酒の芳(かを)りある甘さを
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
あの芳(こう)ばしい匂い、浸み入る味、陶然とした酔。酒にこれを望みながら僕は滅多にそれに恵まれなくなった。そしてこの頃では飲むそのことがうるさくなって来た。酒。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
欠けたる椀に芳(こうば)しき酒なみなみと注ぎ湛(たた)え、前後知らずに酔い臥(ふ)して、飲まれぬまでに賜えかし、ラハーキャロー
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
村に一人の男があって梨を市(まち)に売りに往ったが、すこぶる甘いうえに芳(におい)もいいので貴(たか)い値で売れた。破れた頭巾をかむり、破れた綿入をきた一人の道士が有(あ)って、その梨を積んでいる車の前へ来て
種梨 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
其の着想(ちやくそう)が既(すで)に舊(ふる)いロマンチツクの芳(にほい)を帶びてゐる、何も新しいといふほどの物でもない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
江流ゑんてんとして芳(はう)てんをめぐる
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ヘエ、そして芳(よつ)ちやん、既(も)う牢屋へ行らしつたのですか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「まあ、芳(よッ)さんお坐ンな、そうしてなぜ人を、奥様々々ッて呼ぶの、嫌なこッた。」
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あら、芳(よツ)ちやん、私は好(すき)も嫌(きらひ)も無いと言つてるぢやありませんか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)