“漫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みだり33.7%
みだ24.1%
そぞろ20.5%
そぞ10.8%
そゞろ3.6%
ゆる2.4%
すずろ1.2%
そゞ1.2%
ひた1.2%
やたら1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
武士たるもの二〇漫(みだり)にあつかふべからず。かならず貯(たくは)へ蔵(をさ)むべきなり。你(なんぢ)賤(いや)しき身の分限(ぶげん)に過ぎたる財(たから)を得たるは二一嗚呼(をこ)の事(わざ)なり。
果して然(しか)らば国民が漫(みだ)りに候補者の口車に乗り、地方的事業の画策起工を望むが如きは、財政上の一大矛盾と言わねばならぬ。
選挙人に与う (新字新仮名) / 大隈重信(著)
湖龍斎が全盛期の豊艶なる美人と下(くだ)つて清長の肉付よき実感的なる美人の浴後裸体図等に至つては漫(そぞろ)に富本(とみもと)の曲調を忍ばしむる処あり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
寂(さび)しい一室(ひとま)に、ひとり革鞄(かばん)と睨(にら)めくらをした沢は、頻(しきり)に音訪(おとな)ふ、颯(さっ)……颯と云ふ秋風(あきかぜ)の漫(そぞ)ろ可懐(なつかし)さに、窓を開(あ)ける、と冷(ひややか)な峰が額(ひたい)を圧した。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
足(た)し出たる後(のち)に淨水(てうづ)に困(こま)る節(をり)から斯々(かく/\)の娘を見染ぬ世に二個となき美人なれば漫(そゞろ)に戀しく思ひつゝ此美婦人(このびふじん)に比(くら)ぶれば櫻も爭(いか)で物かはと花見を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
源太胸には苦慮(おもい)あれども幾らかこれに慰められて、猪口(ちょく)把(と)りさまに二三杯、後一杯を漫(ゆる)く飲んで、汝(きさま)も飲(や)れと与うれば、お吉一口、つけて、置き、焼きかけの海苔(のり)畳み折って
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その染帳(ぜんちょう)を得て漫(すずろ)にこれを閲し、匆々として去る。二日を越えてその家回禄す。帳を索むる者、紛然として計をなすを知るなし。林またこれを過(よぎ)りていわく、われ能(よ)くこれを記せん、と。
主人(あるじ)は居室(ゐま)を迷出(まよひい)でて、漫(そゞ)ろに庭を徜徉(さまよ)ひしが、恐しき声を発して、おのれ! といひさま刀を抜き、竹藪に躍蒐(をどりかゝ)りて、えいと殺(そ)ぎたる竹の切口(きりくち)、斜(なゝめ)に尖(とが)れる切先(きつさき)に転(まろ)べる胸を貫きて
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
訴へ「近代、長門守殿内検地詰存外の上、剰(あまつさ)へ高免の仰付けられ、四五年の間、牛馬書子令文状、他を恨み身を恨み、落涙袖を漫(ひた)し、納所(なっしよ)仕(つかまつ)ると雖も、早勘定切果て——」
島原の乱雑記 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
何でも漫(やたら)に其処に居る人達に辞儀をしたようだったが、其中(そのうち)に如何(どう)いう訳だったか、伯父の側(そば)へ行く事になって、側(そば)へ行くと、伯父が「阿父(おとっ)さんも到頭此様(こんな)になられた」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)