“迷出”の読み方と例文
読み方割合
まよひい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お秋(あき)は夜(よ)とも分(わ)かず晝(ひる)とも知(し)らず朧夜(おぼろよ)に迷出(まよひい)でて、あはれ十九を一期(いちご)として、同國(どうこく)浦崎(うらざき)と云(い)ふ所(ところ)の入江(いりえ)の闇(やみ)に身(み)を沈(しづ)めて、蘆(あし)の刈根(かりね)のうたかたに、其(そ)の黒髮(くろかみ)を散(ち)らしたのである。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
見廻す街の光景は初夜の頃入場したる時の賑(にぎやか)さには引変(ひきか)へて、静(しづま)り行く夜(よる)の影深く四辺(あたり)を罩(こ)めたれば、身は忽然見も知らぬ街頭に迷出(まよひい)でたるが如く、朧気(おぼろげ)なる不安と、それに伴ふ好奇の念に誘はれて
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
主人(あるじ)は居室(ゐま)を迷出(まよひい)でて、漫(そゞ)ろに庭を徜徉(さまよ)ひしが、恐しき声を発して、おのれ! といひさま刀を抜き、竹藪に躍蒐(をどりかゝ)りて、えいと殺(そ)ぎたる竹の切口(きりくち)、斜(なゝめ)に尖(とが)れる切先(きつさき)に転(まろ)べる胸を貫きて
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)