“弗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ドル72.9%
どる8.2%
ふっ5.9%
ふつ4.7%
ふ3.5%
ドルラル1.2%
しから1.2%
ズ1.2%
ダラア1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今度のアメリカの原子爆弾の研究費二十億弗(ドル)と較(くら)べては恥ずかしい話であるが、当時の我国(わがくに)としてはそれでも破天荒なことであった。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
処(ところ)が西洋(あちら)では遣物(つかひもの)を持つて行(い)つた者に、使賃(つかひちん)といつて名を附(つ)ける訳(わけ)ではないが、弗(どる)の二ツ位(ぐらゐ)は呉(く)れるさうでございます。
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
書窓(しょそう)から眺めると、灰色(はいいろ)をした小雨(こさめ)が、噴霧器(ふんむき)で噴(ふ)く様に、弗(ふっ)——弗(ふっ)と北から中(なか)ッ原(ぱら)の杉の森を掠(かす)めて斜(はす)に幾(いく)しきりもしぶいて通る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
こは浜方より運送の多寡、かつ諸方への出入り勘定、みなことごとく帳に託す。しかればかの帳はわが家産(しんだい)なるを、遽(あわただ)しき騒ぎに紛れ、焼き失いしや弗(ふつ)にみえず。
颯(さつ)と、吹添(ふきそ)ふ蒼水(あをみづ)の香(か)の風(かぜ)に連(つ)れて、流(ながれ)の上(うへ)へそれたのは、卯(う)の花(はな)縅(をどし)の鎧(よろひ)着(き)た冥界(めいかい)の軍兵(ぐんぴやう)が、弗(ふ)ツと射出(いだ)す幻(まぼろし)の矢(や)が飛(と)ぶやうで、川(かは)の半(なか)ばで、白(しろ)く消(き)える。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
ソコで今度の米国行(こう)に付(つい)ても、役人が幕府から手当の金を一歩銀で請取(うけと)れば、亜米利加(アメリカ)に行くときには之(これ)を洋銀の弗(ドルラル)に替(か)えなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
子曰く、弗(しから)ざるかな、弗ざるかな。君子は世を没(おわ)るも名の称せられざるを疾(や)む。吾が道行なわれず。吾(われ)何を以てか自らを後世に見(あら)わさん、と。乃(すなわ)ち史記に因りて春秋を作る。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
上宮法王枕フシレ病ニ弗(ズ)レ念(ヨロコバ)二干食ヲ一。王后仍チ以労疾ミ。並ニ着ク二於床ニ一。時王后王子等及ビ与諸臣。深懐愁毒。共相発願ス。仰デ依リ二三宝ニ一当ニレ造ル二釈像寸王身(ナルモノヲ)一。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
現代の芸術保護者は弗(ダラア)といふ唯一つの標準、価値を知つてゐる。彼は傑作の真質に関して全く没交渉である。彼は芸術品のために支払はるる金の価にのみ重きを置く者である。
少数と多数 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)