“引(び)” の例文
昔東京では提灯引(び)けといって、言わば狐鼠(こそ)々々と取片附けるというような葬いは、夜の引明けに出したものだそうであるが、それ程ではなくともこうした朝早くの葬式は
寺町 (新字新仮名) / 岩本素白(著)
「へい」と関市(せきいち)が、大あわてで取りだしてきた節巻(ふしまき)の籐(とう)にくすね引(び)きの弦(つる)をかけた強弓(ごうきゅう)。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで二度目のくじ引(び)きが行われて今度は力造(りきぞう)という男がくじに当たった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
しかし これは治療(ちれう)が長引(び)きますな
夫(それ)で宜(よ)けれど彼(あ)れほどまでに思(おぼ)しめし入(い)れたもの左(さ)らばと云(い)ひて斷念(あきらめ)のつく筈(はづ)なし我身(わがみ)の願(ねが)ひが叶(かな)へばとて現在(げんざい)お心(こゝろ)知(し)りながら夫(それ)もつらし是(こ)れも憂(う)しと迷(まよ)ひに心(こゝろ)も夕暮(ゆふぐれ)の空(そら)お八重(やへ)つく/″\詠(なが)むれば明日(あす)も晴日(はれひ)か西(にし)の方(かた)のみ紅(くれな)ゐの雲(くも)たな引(び)きぬ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)