“太股”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふともも84.8%
ふともゝ6.1%
ももどう3.0%
ふとまた3.0%
もも3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
石原は太股(ふともも)を半分泥に汚(よご)しただけで、岸に着いた。獲ものは思い掛けぬ大さの雁であった。石原はざっと足を洗って、着物を着た。
雁 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ローザラインの彼(あ)の星(ほし)のやうな眼附(まみつき)、あの高々(たか/″\)とした額(ひたひ)、あの眞紅(まっくれなゐ)の唇(くちびる)、あの可憐(かはゆら)しい足(あし)、あの眞直(まっすぐ)な脛(すね)、あのぶる/\と顫(ふる)へる太股(ふともゝ)乃至(ないし)其(その)近邊(ちかま)にある處々(ところ/″\)に掛(か)けて祈(いの)りまするぞ。
それでも友達甲斐に連れて来てやれあ、ヤレ寒いとか、太股(ももどう)の痛いとか、太平楽ばっかり祈り上げ奉る。この石垣の下に捨てて行くぞ……エエこの胆泥棒(きもぬすと)……
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
扁平(へんぺい)な漁場では、銅色(あかがねいろ)の壮烈な太股(ふとまた)が、林のように並んでいた。彼らは折からの鰹(かつお)が着くと飛沫(ひまつ)を上げて海の中へ馳(か)け込(こ)んだ。子供たちは砂浜で、ぶるぶる慄(ふる)える海月(くらげ)を攫(つか)んで投げつけ合った。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そいつが出刃包丁(でばぼうちょう)を啣(くわ)えた女の生首(なまくび)の刺青(ほりもの)の上に、俺達の太股(もも)ぐらいある真黒な腕を組んで、俺の寝台(ねだい)にドッカリと腰を卸(おろ)して出(で)ッ歯(ぱ)をグッと剥(む)き出したもんだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)