“外套”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がいとう81.9%
ぐわいたう11.0%
マント0.8%
とんび0.5%
コート0.5%
ぐゎいたう0.3%
オバコオト0.3%
うはぎ0.3%
ぐわいとう0.3%
まはし0.3%
まんと0.3%
まんとお0.3%
もじり0.3%
インバ0.3%
オウバアコオト0.3%
オバーコート0.3%
オーバアー0.3%
オーバー0.3%
シュウバ0.3%
シューバ0.3%
トゥループ0.3%
ブルヌース0.3%
マントオ0.3%
マントル0.3%
ロクロール0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女が低声で、笑いながら「いいえ、いけません。いやです」と言うのが聞えた。相手は男で、異様に長い外套(がいとう)を着ているのが見えた。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
夜(よる)は戸毎(こごと)の瓦斯(がす)と電燈(でんとう)を閑却(かんきやく)して、依然(いぜん)として暗(くら)く大(おほ)きく見(み)えた。宗助(そうすけ)は此(この)世界(せかい)と調和(てうわ)する程(ほど)な黒味(くろみ)の勝(か)つた外套(ぐわいたう)に包(つゝ)まれて歩(ある)いた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところがそれからまた二日置いて、三日目の暮れ方に、獺(かわうそ)の襟(えり)の着いた暖かそうな外套(マント)を着て、突然坂井が宗助の所へやって来た。
門 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
じゃ、古い外套(とんび)だが、あれでも置いとこう、と、私が座敷に戻って来ると、神経質のお宮は、もう感付いたか、些(ちょい)と顔を青くして、心配そうに
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
中二日置いて、この間からいっていた、外套(コート)を買ってやる約束があったのでまたお宮に逢いに行った。清月にいって掛けるとお宮はすぐやって来た。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
彳(たたず)める人は高等中学の制服の上に焦茶の外套(オバコオト)を着て、肩には古りたる象皮の学校鞄(かばん)を掛けたり。彼は間貫一にあらずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
誇りえざりしなるべし、人の外套(うはぎ)を締合(しめあ)はすところより下方(した)わが目にうつれるもの裕(ゆたか)に三十パルモありき —六六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
〔評〕南洲弱冠(じやくくわん)の時、藤田東湖(ふじたとうこ)に謁(えつ)す、東湖は重瞳子(ちやうどうし)、躯幹(くかん)魁傑(くわいけつ)にして、黄麻(わうま)の外套(ぐわいとう)を被(き)、朱室(しゆざや)の長劒(ちやうけん)を佩(さ)して南洲を邀(むか)ふ。南洲一見して瞿然(くぜん)たり。乃ち室内に入る、一大白を屬(ぞく)して酒(さけ)を侑(すゝ)めらる。
金雀花(えにしだ)の中(なか)で外套(まはし)を羽織(はお)つたまま、横向(よこむき)に臥(ね)てゐる。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
『其處にゐる軍人の外套(まんと)からだに。私いさうだんべと思つて探したら、慥かにはあ四十一留(ルーブル)と二十哥(コペエク)ありましただあ。』言ひながら百姓は、分捕品でゝも有るかのやうに羚羊(かもしか)の皮の財布を振り𢌞した。
我が最近の興味 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
またわたくしの嫉妬の布地(きれぢ)で、永遠(とこしへ)ならぬ聖母さま、おんみの為に、外套(まんとお)を裁つでござりませう。
汚い外套(もじり)の襟を立てながら、キュッと唇を噛んでいた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
己が着てゐた夏外套(インバ)を
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「勿論。」と外套(オウバアコオト)の襟を立てる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
而もスタイルの舊い古ぼけた外套(オバーコート)を着てゐるのと、何樣な場合にも頭を垂れてゐるのと、少し腰を跼(こご)めて歩くのが、學士の風采の特徴で、學生間には「蚊とんぼ」といふ渾名(あだな)が付けてある。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
同島南海岸を逍遥(しょうよう)中、海浜より七、八メートル離れた這松(はいまつ)の根元に、四十五、六歳ぐらいの鼠(ねず)背広、格子縞(こうしじま)の外套(オーバアー)の紳士が紅(くれない)に染んで倒れ、さらに北方十二メートルのところに
棚田裁判長の怪死 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「ううん。もう豚公には用はないよ。僕は、彼奴(あいつ)が食余(くいあま)した餌と毒を、手に入れたからね」とそう言って外套(オーバー)のポケットから、三、四枚の花の様な煎餅(せんべい)を出して見せました。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
露西亜(ロシア)人は冬外套(シュウバ)の襟を立てるのでそのために特にこう出来てるんだそうだが、私の考えでは、これは例の過激派鬚(ひげ)を焼かない用心だと思う。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
ソヴェトのプロレタリアートは雨傘なんてなしで「十月(オクチャーブリ)」をやりとげた。一九三〇年、モスクワの群集中にある一本の女持雨傘は、或る時コーチクの外套(シューバ)ぐらい階級性を帯びるのだ。
三月八日は女の日だ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「補祭だつて?」と、語尾を引つぱりながら、南京木綿の表を付けた兎皮の外套(トゥループ)を著こんだ梵妻(おだいこく)が、啀みあつてゐる女たちに詰め寄つた。
朝寒(あさざむ)はまだやわらいでいなかった。彼女は例の貧しげな古い外套(ブルヌース)を着て、緑色のきれを頭からかぶっていた。その顔はまだ病気の名残りをとどめて、やせて青白く、頬がげっそりこけていた。
汝(そなた)の黒(くろ)い外套(マントル)で頬(ほゝ)に羽(は)ばたく初心(うぶ)な血(ち)をすッぽりと包(つゝ)んでたも、すれば臆病(おくびゃう)な此(この)心(こゝろ)も、見(み)ぬゆゑに強(きつ)うなって、何(なに)するも戀(こひ)の自然(しぜん)と思(おも)ふであらう。
そしてもし私の眼の誤りでなければ、彼のまとうている、きっちりとボタンをかけた、明らかに古物らしい外套(ロクロール)の裂け目から、一箇のダイアモンドと、一ふりの短刀とをちらりと見かけたのだ。
群集の人 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)