“人(り)” の例文
先刻(さつき)美(うつく)しい人(ひと)が脇(わき)へ来(き)て席(せき)を取(と)つたが、言葉(ことば)が通(つう)じないことがわかつたところで、今(いま)一人(り)の日本語(にほんご)のよく話(はな)せるお転婆(てんば)さんらしい女(おんな)と入替(いれかわ)つた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「もっとくれ! 残(のこ)すのは惜(お)しい、おれが一人(り)でいただいちまおうよ。」といいながら、とうとう一人(ひとり)で、みんな食(た)べてしまって、骨(ほね)を食卓(テーブル)の下(した)へ投(な)げました。
車之助は、——人(り)! まで叫んで一同(みな)の耳へ届かせないうちに、根太(ねだ)から生えたように、部屋の敷居の上にチョコナンと、一個の首となって鎮座ましましていた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
二人(り)は汗(あせ)をふきながら有馬猫(ありまねこ)の話(はなし)などして別(わか)れた。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
しかし私(わたし)は決定的(けつていてき)でなかつた。行(い)くなら一人(り)やつた方(ほう)がいゝと私(わたし)は密(ひそ)かに思(おも)つてゐた。I子(こ)を番(ばん)してついて行(い)くやうなことは私(わたし)には出来(でき)なかつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そして其(そ)れがすむと間(ま)もなく一人(り)の婦人(ふじん)が、R氏(し)と打合(うちあわ)せをしたあとでR氏(し)の通訳(つうやく)説明(せつめい)につれて舞台(ぶたい)に上(のぼ)つた。そしてピアノの伴奏(ばんそう)で独唱(どくせう)をはじめた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)