“やや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤヤ
語句割合
稍44.7%
稍々18.9%
動16.4%
良5.3%
稍〻4.3%
嬰児2.3%
赤児1.0%
漸0.8%
梢0.8%
較0.8%
孩児0.8%
較々0.5%
夜々0.3%
赤坊0.3%
動〻0.3%
嬰子0.3%
寖0.3%
少時0.3%
爺々0.3%
略0.3%
良々0.3%
良久0.3%
赤0.3%
輙0.3%
輻屋0.3%
頗0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから稍(やや)あって、頭の君はまた道綱に取り次がせて、私に「こないだはお目にかかれずに帰りましたので、又お伺いいたしました」
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
けれども、お鍋の腕力には敵(かな)わない。無理無体に引立られ、がやがや喚きながらも坐舗(ざしき)を連れ出されて、稍々(やや)部屋へ収まッたようす。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
邪魔な木立を避けて成るべく切明を離れぬように山稜を辿るのであるが、低い枝が横に乗り出して動(やや)ともすると谷に追い落されそうだ。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ピエエル・オオビュルナンは良(やや)久(ひさ)しく物を案じている。もうよほど前からこの男は自己の思索にある節制を加えることを工夫している。
田舎 (新字新仮名) / マルセル・プレヴォー(著)
その内容は一見驚くほど似通っていて、一つの調和あるチェーホフ像を浮びあがらせ、稍〻(やや)もすればほかのロシヤ作家に見られるような毀誉褒貶(きよほうへん)の分裂がない。
まだ海のものとも山のものとも分りませぬが、もしお肚の嬰児(やや)が無事に生れましたら、立派にあなたの跡目(あとめ)を立たせます。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
先月彼女(あれ)が出ました晩、旦那が途中でお待受け、私が口を開かされましたが、恠しいどころじやござりませぬ。お腹に赤児(やや)が居ますもの。とうからちやんとお支度が、出来てゐたのもごもつと。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
その船行方(ゆくえ)なくなりて後(のち)は、家に残る人も散々(ちりぢり)になりぬるより、絶えて人の住むことなきを、この男のきのうここに入りて、漸(やや)して帰りしを奇(あや)しとてこの漆師(ぬし)の老(おじ)が申されし
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
朕黎元(れいぐわん)を撫育(むいく)する事(こと)梢(やや)に年歳(とし)を経たり。風化(ふうくわ)尚(なほ)壅(よう)して、囹圄(れいご)未(いま)だ空(むな)しからず。通旦(よもすがら)寝(しん)を忘れて憂労(いうらう)茲(ここ)に在(あ)り。頃者(このごろ)天(てん)頻(しきり)に異(い)を見(あら)はし、地数(しばしば)震動す。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
お島はこの頃漸(ようや)く落着いて来た丸髷に、赤いのは、道具の大きい較(やや)強味(きつみ)のある顔に移りが悪いというので、オレンジがかった色の手絡(てがら)をかけて
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「それじゃ帳場さん何分宜(よろ)しゅう頼むがに、塩梅(あんばい)よう親方の方にもいうてな。広岡さん、それじゃ行くべえかの。何とまあ孩児(やや)の痛ましくさかぶぞい。じゃまあおやすみ」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
斉衰は第二等喪服であって、斬衰の場合よりは布の地も良く、縫方なども較々(やや)丁寧になっており、即ち悲哀の較々小なることを
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
爺さんの寿命を日々(にちにち)夜々(やや)に縮(ちぢ)めつゝあるものは、斯展望台である。余は爺さんに目礼して、展望台の立つ隣の畑に往った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
それに君は俺が唯遊んで昼寝(ひるね)して暮らす様に云うたが、俺にも万更仕事が無いでもない。聞いてくれ。俺の頭(あたま)の上には青空がある。俺の頭は、日々(にちにち)夜々(やや)に此青空の方へ伸びて行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
赤坊(やや)の時から、煙の中で乳すうて居ますだもの。眼が馬鹿になって居ますのだ。寒い朝ですない。風邪(かぜ)引きなさいますよ。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
赤坊(やや)のうちは乞食の子さえめんげえもんだっちゅが私(わし)でも赤坊(やや)の時があったと思やあ不思議な気になりやすない御隠居様。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
智的生活を基調として生活し、その生活の基準に慣らされた私達は動〻(やや)もするとこの基準のみを以て凡ての現象を理智的に眺めていはしないか。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
如是我聞(によぜがもん)、仏説阿弥陀経(ぶつせつあみだけう)、声は松風に和(くわ)して心のちりも吹払はるべき御寺様(おんてらさま)の庫裏(くり)より生魚(なまうを)あぶる烟(けぶ)なびきて、卵塔場(らんたうば)に嬰子(やや)の襁褓(むつき)ほしたるなど、お宗旨によりて搆(かま)ひなき事なれども
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
多年古書を校勘して寝食を忘れていた抽斎も、ここに至って寖(やや)風潮の化誘(かゆう)する所となった。それには当時産蓐(さんじょく)にいた女丈夫(じょじょうふ)五百(いお)の啓沃(けいよく)も与(あずか)って力があったであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
座を立った武蔵が、少時(やや)あって伴(ともな)い来ったのは、都甲金平(とこうきんぺい)という藩士であった。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然りと雖も予(よ)猶(なお)謂(おも)えらく、逸田叟(いつでんそう)の脚色は仮(か)にして後纔(わずか)に奇なり、造物爺々(やや)の施為(しい)は真にして且(かつ)更に奇なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
(C)灰を包みたる唐紙、及上下左右に詰めたるものと思しき綿を検するに、古色等、記録の時代と略(やや)相当するを認む。灰は検鏡分析の結果、普通の和紙と、絹布とを焼きたる形跡を認むるのみ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そうしたままで、また良々(やや)暫く揉まれ抜いていると、ふと、百千の人の顔の中から、父兼松の顔を見附けました。
口に啣(くわ)えた巻煙草のパイレートに火をつけることも忘れていたが、良久(やや)あって
梅雨晴 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「え、なんだって?……そんなことじゃないわ。あたしの言うのはね、ただこれで赤(やや)さんが出来さえすりゃ、それだけでもう気が晴ればれするだろうと思うのさ。」
彼常に「不感無覚」を以て称せらる。世人輙(やや)もすれば、この語を誤解して曰(いは)く、高踏一派の徒、甘(あまん)じて感情を犠牲とす。これ既に芸術の第一義を没却したるものなり。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
登は去定の供で、しばしばそこへ治療にいくうち、輻屋(やや)の佐八という病人を受持つようになった。
「斉論語は二十二篇、其の二十篇中の章句、頗(やや)魯論より多し」(何晏「論語集解」序)と言われているが、その「頗」が「やや」であって「すこぶる」「はなはだ」でないことは確かであろうか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)