“にほ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ニホ
語句割合
匂49.6%
臭17.4%
香12.4%
鳰11.6%
艶1.7%
仁番1.7%
薫1.7%
匀1.7%
染0.8%
仁保0.8%
馨0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人は中甲板へ降りて、うまさうな匂(にほ)ひの放散してゐるコック部屋の側を通つて、薄暗い裸の蝋燭(らふそく)の灯の見える機関室へ降りて行つた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
父 そりやらつぱ卒が酔つぱらつてゐたから、お酒つ臭い臭(にほ)ひをなくした上、食べることにしようと思つたのさ。
虎の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
窓下の丁字の花がはつきりと香(にほ)つて来る薄雲りの晩に、森と青野が、町端れの音田の部屋でトランプ合戦に耽つてゐると、からたちの生垣の向ふで
まぼろし (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
それ、ここから見えるあの田甫(たんぼ)ぢや、あれが、この村の開けないずつと往昔(むかし)は一面の沼だつたのぢや、蘆(あし)や蒲(かば)が生え茂つてゐて、鳰(にほ)だの鴨だのが沢山ゐたもんぢや。
黄金の甕 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
しろ百合はそれその人の高きおもひおもわは艶(にほ)ふ紅芙蓉(べにふよう)とこそ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
また、いろいろの職工や、かじ屋の卓素(たくそ)という者や、機織(はたおり)の西素(さいそ)という者や、そのほか、酒を造ることのじょうずな仁番(にほ)という者もいっしょに渡って来ました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
あをによし寧楽(なら)の都(みやこ)は咲(さ)く花(はな)の薫(にほ)ふがごとく今(いま)盛(さかり)なり 〔巻三・三二八〕 小野老
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「たぐひありと誰かはいはむ末(すゑ)匀(にほ)ふ秋より後のしら菊の花」と申す古歌の心にて、白菊と名づけさせ給(たも)う由承候。
「玉津島(たまつしま)磯の浦回(うらみ)の真砂(まさご)にも染(にほ)ひて行かな妹が触りけむ」(同・一七九九)というので、いずれも哀深いものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「白菅の真野の榛原心ゆもおもはぬ吾し衣(ころも)に摺(す)りつ」(同・一三五四)、「住吉の岸野の榛に染(にほ)ふれど染(にほ)はぬ我やにほひて居らむ」(巻十六・三八〇一)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
と、擬(じつ)と横(よこ)つ腹(ぱら)を押へてみたが、矢(や)つ張(ぱり)可笑しくて堪らなかつた。新聞で見ると、国民党の犬養さんも吹き出したさうだし、京都大学の織田博士も笑つてゐる。真面目な仁保(にほ)博士などは
さも以(に)たり。近(ちか)づく儘(まゝ)に。馨(にほ)ふ香(か)は。そも時(かう)款貨舖(ぐや)の。娘(むすめ)かも。指(ゆび)に挾(はさ)める。香盆(かうばこ)の。何爲(なにこと)なりや。時々(とき/\)に。鼻(はな)に翳(かさ)して。嚊(か)くめるは。
「西周哲学著作集」序 (旧字旧仮名) / 井上哲次郎(著)