“おゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蔽28.6%
大14.3%
覆14.3%
応14.3%
掩14.3%
終14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう云うと夫人は、厠の床に惜しげもなく両手をついて、ゆたかな黒髪に蔽(おゝ)われた高貴な頭(つむり)を心から青年の前に下げた。
目藥(めぐすり)の瓶(びん)が歩(ある)くやうであらうと誹(をと)すに、馬鹿(ばか)を言(い)つて居(い)らあ、それまでには己(おい)らだつて大(おゝ)きく成(な)るさ、此樣(こん)な小(ちい)つぽけでは居(い)ないと威張(ゐば)るに、夫(そ)れではまだ何時(いつ)の事(こと)だか知(し)れはしない
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此(この)美登利(みどり)さんは何(なに)を遊(あそ)んで居(ゐ)る、雨(あめ)の降(ふ)るに表(おもて)へ出(で)ての惡戯(いたづら)は成(な)りませぬ、又(また)此間(このあひだ)のやうに風引(かぜひ)かうぞと呼立(よびた)てられるに、はい今(いま)行(ゆき)ますと大(おゝ)きく言(い)ひて、其聲(そのこゑ)信如(しんによ)に聞(きこ)えしを耻(はづ)かしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ちょうど後世のお高祖頭巾(こそずきん)のように首の全部を覆(おゝ)い隠して、肩の上まで垂れているので、顔はこゝからは分らないけれども、しょんぼり彳(たゝず)んで空の方を仰いでいるのは
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
抱かれながら仰向(あおむ)いて見たが、残念なことには部屋が暗いのと、額から垂れたゆたかな髪が輪郭を覆(おゝ)い隠しているので、厨子(ずし)の中にある御佛(みほとけ)を拝むようで、心ゆくまで見きわめたことはなかった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
四方(あたり)を見廻はしながら森厳(かう/″\)しき玄関前にさしかゝり、御頼申(おたのまを)すと二三度いへば鼠衣の青黛頭(せいたいあたま)、可愛らしき小坊主の、応(おゝ)と答へて障子引き開けしが、応接に慣れたるものの眼捷(ばや)く人を見て
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
代助は、百合(ゆり)の花(はな)を眺(なが)めながら、部屋を掩(おゝ)ふ強い香(か)の中(なか)に、残(のこ)りなく自己を放擲(ほうてき)した。彼は此(この)嗅覚の刺激のうちに、三千代(みちよ)の過去を分明(ふんみよう)に認めた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
首尾よくし終(おゝ)せてくれたら、大将の首を五つ六つ取ったよりも大きな手柄であると思うぞ、これこそ無二の忠義であるぞ
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)