“捷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
か36.5%
はや23.1%
はし9.6%
かち5.8%
すばや5.8%
すばしこ3.8%
かしこ1.9%
しょう1.9%
と1.9%
はえ1.9%
はしこ1.9%
ばや1.9%
カ1.9%
ショー1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あんな気紛れな義侠心を起した代償に彼が得たものは、ひとつの外套の釦と、それと非業(ひごう)の死だ。他人の同情すら捷(か)ち得なかった。
蜆 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
柴紹(さいしょう)の弟なにがしは身も軽く、足も捷(はや)く、どんな所へでも身を躍らせてのぼるばかりか、十余歩ぐらいは飛んで行った。
ジャネット! あなたの微笑は意味の深いものだつた。非常に捷(はし)こくて、あなたの放心を輕快なものにするやうに思はれた。
乱軍となって、藩璋は討ちもらしたが、合戦としては十二分の捷(かち)を占めて、いちど蜀は野を隔てた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵卒は、殆んど露西亜語(ロシアご)が分らなかった。けれども、そのひびきで、自分達を歓迎していることを、捷(すばや)く見てとった。
渦巻ける烏の群 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
さう云ひ捨てると、その青年は身体を捷(すばしこ)く動かしながら、将に動き出さうとする電車に巧に飛び乗つてしまつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
打たぬ以前は娘より十倍も捷(かしこ)い女であったが今は何うだ、虎井夫人の十分の一の智慧もないワ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
鴻雁(こうがん)翔天(しょうてん)の翼(つばさ)あれども栩々(くく)の捷(しょう)なく、丈夫(じょうふ)千里の才あって里閭(りりょ)に栄少(すくな)し、十銭時にあわず銅貨にいやしめらるなぞと、むずかしき愚痴(ぐち)の出所はこんな者とお気が付かれたり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この御世に、兔寸(うき)河一の西の方に、高樹(たかき)あり。その樹の影、朝日に當れば、淡道(あはぢ)島におよび、夕日に當れば、高安山二を越えき。かれこの樹を切りて、船に作れるに、いと捷(と)く行く船なりけり。
「なるほど、親分の眼は捷(はえ)え。さあ、野郎、神妙に申し立てろ」
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
是も怪しむには足らぬ、誰にも素性を知られて居ぬを幸いに、博士などと冒称して居るのだ。悪人の中で少し智恵の捷(はしこ)い奴は、能く此の様な白痴威(こけおどし)の称号を用うるよ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
四方(あたり)を見廻はしながら森厳(かう/″\)しき玄関前にさしかゝり、御頼申(おたのまを)すと二三度いへば鼠衣の青黛頭(せいたいあたま)、可愛らしき小坊主の、応(おゝ)と答へて障子引き開けしが、応接に慣れたるものの眼捷(ばや)く人を見て
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
師(イクサ)ヲ出シテ未ダ捷(カ)タズ 身先(マズ)死ス
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、彼女達の話すアクセントを一度きいたら 彼女達の踵(カカト)にはどんなに田舎の泥がしみ込んで居るか。敏捷(ショー)とか 医学的教養とかからはどんなに遠い婆さん達であるかを感じるだろう。
一九二九年一月――二月 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)