“要(え)” の例文
「おゝ厭(や)なこつた、要(え)らねえよ」おつぎは少(すこ)し身(み)を屈(かが)めて手桶(てをけ)の柄(え)を攫(つか)んで其(そ)の儘(まゝ)身(み)を延(のば)すと手桶(てをけ)の底(そこ)が三寸(ずん)ばかり地(ち)を離(はな)れた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
林「エヽイ、聞(け)くも聞(け)かねえも要(え)らねえ、放さねえかよ、これ放さねえかてえにあれ着物(けもの)が裂けてしまうじゃアねえか、裂けるよ、放さねえか、放しやがれ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なあに分(わか)んねえよ、おつう等(ら)毎日(まいんち)來(き)てゝも其(そ)の噺(はなし)やねえんだから、俺(お)らどうせ癒(なほ)つか何(なん)だか分(わか)りやすめえし、要(え)らねえな」
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
林「なに、其様(そんな)には要(え)りませんよ、三拾両一資本(ひともとで)で、三拾両も有れば立派に店が出せますからな」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「明日(あした)、要(え)れば出(だ)してやんびやな、爺等(ぢいら)どうせ夜(よる)なんぞ要(え)りやすめえしなあ」おつぎは又(また)賺(すか)すやうにいつた。卯平(うへい)はもう反覆(くりかへ)していはなかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
林「何も屎(こそ)も要(え)らねえ、さっさと暇ア出させるように私(わし)が云うから、然(そ)う思って居るが宜(え)え」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)