“脆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もろ94.9%
ひざまず1.0%
サク1.0%
さく0.6%
もれ0.6%
ぜい0.3%
も0.3%
や0.3%
やにつ0.3%
やはらか0.3%
モロ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしその間(ま)も出来る事なら、生みの親に会わせてやりたいと云うのが、豪傑(ごうけつ)じみていても情(じょう)に脆(もろ)い日錚和尚の腹だったのでしょう。
捨児 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
カズ子が今にも帆村の前に脆(ひざまず)きそうに見えたので、帆村はあわててそだを掴んで立上った。そして火の子を散らしながら、暖炉の中へ折って入れた。
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なる程、此は脆(サク)過ぎまする。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
なる程、此は脆(さく)過ぎまする。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「脆(もれ)えものだ」とつぶやきながら、城之介は死骸をのぞき込んだ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
まるで真紅の鬼芥子の花が、乱れ咲いたか、と思うばかりの大塊——それを葱と一緒に煮ながら食えば、その味は飽くまで豪宕(ごうとう)といった趣きだが、また思いもよらず豊脆(ぜい)なのに驚く。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
斯(か)く思(おも)ふは我(わ)れに定操(ていさう)の無(な)ければにや、脆(も)ろき情(こゝろ)のやる方(かた)もなし、扨(さて)も松野(まつの)が今日(けふ)の詞(ことば)、おどろきしは我(われ)のみならず竹村(たけむら)の御使者(おししや)もいかばかりなりけん、立歸(たちかへ)りて斯(か)く斯(か)くなりしとも申さんに
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こんな時には、よしんば鼻先を抓(つま)まれたつて侯爵は決して腹を立てない。赤茶盌は脆(や)つこい物で、腹を立てると毀(わ)れるといふ事を知つてゐるから。
その次ぎの瞬間、亭主は自分の家(うち)に持合せの寝台が、いづれも安物づくめな、脆(やにつ)こい出来であるのを思ひ出して、当惑さうな顔をした。
冬の雪は脆(やはらか)なるゆゑ人の蹈固(ふみかため)たる跡(あと)をゆくはやすけれど、往来(ゆきゝ)の旅人(たびゝと)一宿(しゆく)の夜大雪降ばふみかためたる一条(すぢ)の雪道雪に埋(うづま)り途(みち)をうしなふゆゑ、郊原(のはら)にいたりては方位(はうがく)をわかちがたし。
此処に尚、聊か「脆(モロ)に」語原の可能が許されさうに思ふ。さうとすれば、全体・すつかり・根柢からなど言ふ用語例は、聯想から「両(モロ)」に結びつく為に出来たもの、と説明すべきであるやうだ。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)