“渇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわ58.1%
かつ20.8%
かわき8.0%
かっ5.1%
か3.2%
かは2.6%
かはき0.6%
う0.3%
から0.3%
が0.3%
つ0.3%
カツ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜来の烈しい血しおのうごきが、自然、口腔(こうこう)を渇(かわ)かせて来るのであろう。彼はさっきから頻りに一杯の水を欲しがっていたのである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屋根の窪(くぼ)みなどに、雨水が溜(たま)るからだ。僕等は、それによって、渇(かつ)を医(い)やすことができ、雨水を呑んで、わずかに飢えを凌(しの)ぐのだった。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
そうしてそのつど人に知れないように、そっと含嗽の水を幾分かずつ胃の中に飲み下して、やっと熬(い)りつくような渇(かわき)を紛(まぎ)らしていた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
爾後(じご)、餓(う)うるときは鉄丸を喰(くら)い、渇(かっ)するときは銅汁を飲んで、岩窟(がんくつ)の中に封じられたまま、贖罪(しょくざい)の期の充(み)ちるのを待たねばならなかった。
が、きょうの相手は、如何(いかん)ともすることができなかった。まるで無反応な存在である。山へ向って声を張るように、気ばかり渇(か)れてしまうのだった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されど我をして目を醒(さま)しゐて永遠(とこしへ)に見しめまたうるはしき願ひに渇(かは)かしむる聖なる愛のいよ/\遂(と)げられんため 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
渇(かはき)の止(と)まると共(とも)に次(つぎ)には飢(うゑ)の苦(くるしみ)、あゝ此樣(こん)な事(こと)と知(し)つたら、昨夜(さくや)海中(かいちう)に飛込(とびこ)む時(とき)に、「ビスケツト」の一鑵(ひとかん)位(ぐら)いは衣袋(ポツケツト)にして來(く)るのだつたにと、今更(いまさら)悔(くや)んでも仕方(しかた)がない
が、私は望む、知識に渇(う)えている日本の青年が自由にわが国に到来する日が、間もなく来ることを。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼もまた、火みたいに、喉(のど)の渇(から)びを覚えていたところである。さっそく大きな平(ひら)たい青石の上へ、背の老母を下ろして言った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども萩の四五株しかない上、落合直文(おちあひなほぶみ)先生の石碑を前にした古池の水も渇(か)れ渇(が)れになつてゐるのは哀れだつた。ただこの古池に臨んだ茶室だけは昔よりも一層もの寂(さ)びてゐる。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
併し、そんなものでは間に合わないのだ。が、彼女は涸れるものを涸れるままに、渇(つ)きるものを渇きるままに快楽を忘れることは出来なかった。
指 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
軍井(グンゼイ)未(イマ)ダ達セズ、将渇(カツ)ヲ曰(イ)ハズ。軍幕未ダ弁(ベン)ゼズ、将倦(ウ)ムヲ曰ハズ、軍竈(サウ)未ダ炊(カシ)ガズ、将飢ヱヲ曰ハズ、冬、裘(キウ)ヲ暖ニセズ、夏、扇(セン)ヲ採(ト)ラズ、雨ニ蓋(ガイ)ヲ張ラズ。是ヲ、将ノ礼トイフ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)