“按”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あん69.2%
おも7.7%
お5.5%
あんず3.3%
あんずる3.3%
あんずるに2.2%
おさ2.2%
さす2.2%
オモヘ2.2%
も1.1%
アン1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
按(あん)ずるにこれは、深海の魚が、盲目になったのと同じ事である。日本人の耳は昔から、油を塗った鬢(びん)の後に、ずっと姿を隠して来た。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
蜀山人(しょくさんじん)の狂歌におけるや全く古今に冠(かん)たり。しかしてその始めて狂歌を吟ぜしは按(おも)ふに明和(めいわ)三、四年の交(こう)年二十歳の頃(ころ)なるべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それを眺めそれに手を按(お)く時、私には心と心とが触れ合う想いがある。それはいつも私の情愛の友だ。私もまた彼らの親しい友だ。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
○按(あんず)るに、蛾眉山は唐土の北に在(あ)る峻岳(じゆんがく)にて、富士にもくらぶべき高山なり。絶頂(ぜつてう)の峯(みね)双立(ならびたち)て八字をなすゆゑ、蛾眉山(がびさん)といふなり。
○再(ふたゝび)按(あんずる)に、小野の小町は羽州(うしう)の郡司(ぐんじ)小野の良実(よしざね)の女(むすめ)なり、楊貴妃(やうきひ)は蜀州(しよくしう)の司戸(しこ)元玉が女(むすめ)なり、和漢倶(とも)に北国の田舎娘世に美人の名をつたふ。
(人ありいはく。琵琶湖は沢(たく)といふべし。湖(こ)にあらず。余按(あんずるに)震沢を太湖と称するときは湖といふも妨なし。)一里六丁鳥居本(とりゐもと)駅。此辺に床の山あり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
晋安王来りしも進む能わず、聡手を以て頭を按(おさ)え地に著(つ)けその両目を閉ざしめ、王を召し展礼せしむとはなかなか豪(えら)い坊主だ。
露些(つゆいささ)かも偏頗(へんぱ)なく扱いやりしに、両女もいつか妾に懐(なつ)きて、互いに競うて妾を劬(いた)わり、あるいは肩を揉(も)み脚を按(さす)り、あるいは妾の嗜(たしな)む物をば、己(おの)れの欲を節して妾に侑(すす)むるなど
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
りしに按(オモヘ)ば是は燕子花とある漢字よりおもひよせられしものなり熟(ツラツラ)考るに万葉七に墨吉之(スミノエノ)浅沢(アササハ)小野乃(ヲヌノ)加吉都播多(カキツバタ)衣爾(キヌニ)須里着将(スリツケキ)衣日(ムヒ)不知毛(シラズモ)又同巻にかきつばた衣(キヌ)に摺つけますらを
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
大異の体はまた石床の上へ引擦り倒されて、縮めるように頭と足を捺されたり、また麪(めん)をこしらえるように按(も)まれたりした。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
之ヲ攻ムルニハ、塀越シノ槍コソ利アラントテ、十文字、鑰槍(カギヤリ)ナド打捨テサセ、皆、長柄ノ素槍ヲ持テトテ諸手ニ配ル。按(アン)ニ違(タガ)ハズ、塀越シノ槍、長柄ニテ大イニ利ヲ得タリト。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)