“鬢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びん97.2%
びんずら1.4%
びんづら0.7%
かみ0.2%
ひげ0.2%
ビン0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いずれも鬢(びん)の毛を長く垂れて、尖った口を持った人びとで、ひとりの白衣の老人を先に立てて、李の前にうやうやしく礼拝しました。
立って、衣紋(えもん)を正した時、学士の膝は濡れていた。が、鬢(びんずら)の梅の雫(しずく)ではない、まつげのそよぎに、つらぬきとめぬ露であった。——
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其(そ)の雪洞(ぼんぼり)の消(き)えた拍子(ひやうし)に、晃乎(きらり)と唯吉(たゞきち)の目(め)に留(とま)つたのは、鬢(びんづら)を拔(ぬ)けて草(くさ)に落(お)ちた金簪(きんかんざし)で……濕(しめ)やかな露(つゆ)の中(なか)に、尾(を)を曳(ひ)くばかり、幽(かすか)な螢(ほたる)の影(かげ)を殘(のこ)したが、ぼう/\と吹亂(ふきみだ)れる可厭(いや)な風(かぜ)に
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
箒を堂の縁下(えんした)に差置き、御手洗(みたらし)にて水を掬(すく)い、鬢(かみ)掻撫(かきな)で、清き半巾(ハンケチ)を袂(たもと)にし、階段の下に、少時(しばし)ぬかずき拝む。静寂。きりきりきり、はたり。何処(どこ)ともなく機織(はたおり)の音聞こゆ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
工場を怠け、学校はお留守にし、鬢(ひげ)を生やした憲兵の間抜けな眼を嘲っては、動こうともしない獣の足を引きずりながら、「新しい歌」を掠め歩いた。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
三十八九の時、信二をもったので息子の年の割に母親は老(ふ)けて居て鬢(ビン)はもう随分白く額なんかに「涙じわ」が寄って居る。
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)