“忙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せわ46.3%
いそが23.8%
せは10.5%
いそ5.6%
せ4.8%
いそがわ1.5%
あわ1.2%
せはし0.8%
いそがし0.8%
ぼう0.7%
せわし0.5%
あせ0.3%
あわた0.3%
いしょ0.3%
アワタヾ0.3%
いそがはし0.2%
あわただ0.2%
あわたゞ0.2%
いそかわし0.2%
いそがは0.2%
ばう0.2%
ふため0.2%
アワタダ0.2%
イソ0.2%
エそ0.2%
セハ0.2%
セワ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愛之助が闇の庭に佇(たたず)んで、二階に耳をすましながら、頭では忙(せわ)しくそんなことを考えていた時、突然びっくりする様な物音が起った。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ただ、いままで知(し)らなかった大(おお)きな自然(しぜん)の中(なか)で、なにを見(み)ても珍(めずら)しいので、忙(いそが)しそうに動(うご)いて、すこしもじっとしていませんでした。
山へ帰ったやまがら (新字新仮名) / 小川未明(著)
振返ると背面の入江は幾百の支那ジヤンクを浮(うか)べて浅黄色に曇つたのが前面の忙(せは)しげな光景と異(ちが)つて文人画の様な平静を感ぜしめる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
おぬいさんは忙(いそ)がしく袂を探ろうとしたが、それも間に合わなかったか、いきなり両手を眼のところにもっていって、じっと押えた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
学校の事が忙(せ)わしかったので、諸事万端の整理がつかず、その日その日暮しになって居たので、老師の書信もその儘となって居た。
純一は忙(いそがわ)しげに支度をして初音町の家を出た。出る前にはなぜだか暫く鏡を見ていた。そして出る時手にラシイヌの文集を持っていた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
さてその金の催促に来るごとに、役人を近村の料理屋へ連れ行き乱酔せしめ、日程尽き、役人忙(あわ)て去ること毎度なり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
貴婦人は差し向けたる手を緊(しか)と据ゑて、目を拭(ぬぐ)ふ間も忙(せはし)く、なほ心を留めて望みけるに、枝葉(えだは)の遮(さへぎ)りてとかくに思ふままならず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
引渡しの立合の目の廻るような忙(いそがし)さや今迄みたこともない税関の交渉なんか、何もかも生き生きしていて、頭の中へ涼しい風が吹きこんでくるようでしたわ。
女の一生 (新字新仮名) / 森本薫(著)
「忙(ぼう)におわれ、些末(さまつ)に拘泥(こうでい)しておって、つい大局を見失っていた。荀攸! なぜ其方は、もっと早く予に注意しなかったのだ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
力なき小芳の足は、カラリと庭下駄に音を立てたが、枝折戸のまだ開(あ)かぬほど、主税は座をずらして、障子の陰になって、忙(せわし)く巻莨(まきたばこ)を吸うのであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「暗いじゃあないか、おい、おい。」とただ忙(あせ)る。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
近代の忙(あわた)だしい騒音や行(ゆ)き塞(づま)った苦悶を描いた文芸の鑑賞に馴れた眼で見るとまるで夢をみるような心地がするが、さすがにアレだけの人気を買った話上手な熟練と
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「爺(ぢ)んごぁ、今朝も戻て来なぃがべが。家(え)でぁこったに忙(いしょ)がしでば。」
十月の末 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
玉が再、砂の上につぶ/″\竝んで見える。忙(アワタヾ)しく拾はうとする姫の俯(ウツム)いた背を越して、流れる浪が、泡立つてとほる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
その故に彼は外に出でて憂(うさ)を霽(はら)すに忙(いそがはし)きにあらずや。されども彼の忘れず塒(ねぐら)に帰り来(きた)るは、又この妻の美き顔を見んが為のみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
忙(あわただ)しく拾おうとする姫の俯(うつむ)いた背を越して、流れる浪が、泡立ってとおる。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
忙(あわたゞ)しく拾はうとする姫の俯(うつむ)いた背を越して、流れる浪が泡立つてとほる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
朝暮衣食の計に忙(いそかわし)くして心を専一にすること能(あた)わざるのみか、開国以来の世変を見れば自(おのず)から黙止すべきにも非(あら)ず、色々の著述などして時を費したることも多し。
人生の楽事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
恐くは永春院の子法眼宗英であらうか。当時小川町住の奥医師であつた。此夏病蘭軒を乗せた「籃輿」は頗る忙(いそがは)しかつたと見える。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
詩あり云ふ「百戰無レ功半歳間、首邱幸得レ返二家山一。笑儂向レ死如二仙客一。盡日洞中棋響間」(編者曰、此詩、長州ノ人杉孫七郎ノ作ナリ、南洲翁ノ作ト稱スルハ誤ル)謂はゆる忙(ばう)中に間を
他はみな見苦しくも慌(あわ)て忙(ふため)きて、あまたの神と仏とは心々に祷(いの)られき。なおかの美人はこの騒擾の間、終始御者の様子を打ち瞶(まも)りたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
玉が再(フタタビ)、砂の上につぶ/″\並んで見える。忙(アワタダ)しく拾はうとする姫の俯(ウツム)いた背を越して、流れる浪が、泡立つてとほる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
自分ノ身体(カラダ)ヲ可愛ガルヨウニ。今アナタ忙(イソ)ガシイデショウネ。大工(ダイク)ヤ壁屋(カベヤ)ヤ沢山(タクサン)ノ仕事デ。デスカラ身体ヲ大事ニスルヨウニクレグレモ願イマス。
ンヤ好(エ)デヤなア、雪(ユギ)ア解(と)ゲデセエ、鯡(ニシ)ゴト日當(ひあダ)りの屋根(ヤネ)サ干すエネ成(な)れば田(タコ)ア忙(エそ)がしグ成(な)テ、夫(オド)と晝間(シルマ)まで田(タコ)掻廻(カマ)して、それガラ田畔(タノクロ)サあがテせ、飯(ママ)も喰(ク)ば
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
玄関先に夫らしい足音がすると、先刻から火鉢に凭つて時計ばかりみてゐた妻君は、忙(セハ)しげに立ち上つて玄関に行つた。
蜻蛉:――飜弄さる (新字旧仮名) / 中原中也(著)
紅牙(コウガ)催拍(サイハク)シテ燕ノ飛ブコト忙(セワ)シ
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)