“嬉(う)” の例文
互いに嬉(う)れしとも憐れとも思わぬようなり、紀州はそのまま行き過ぎて後振向きもせず、源叔父はその後影(うしろかげ)角(かど)をめぐりて見えずなるまで目送(みおく)りつ
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と、呼ぶ声がきこえたときの嬉(う)れしさったら、まるでボーッと顔がほてるくらいだ。
こんにゃく売り (新字新仮名) / 徳永直(著)
夏(なつ)の初(はじめ)の旅(たび)、僕(ぼく)は何(なに)よりも是(これ)が好(すき)で、今日(こんにち)まで數々(しば/\)此(この)季節(きせつ)に旅行(りよかう)した、然(しか)しあゝ何等(なんら)の幸福(かうふく)ぞ、胸(むね)に樂(たの)しい、嬉(う)れしい空想(くうさう)を懷(いだ)きながら、今夜(こんや)は彼(あ)の娘(むすめ)に遇(あ)はれると思(おも)ひながら
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)