“填”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
う23.0%
は16.0%
つ15.0%
うず10.0%
はま10.0%
うづ8.0%
こ6.0%
つま3.0%
み3.0%
うま1.0%
うめ1.0%
ふさ1.0%
ふさが1.0%
ウズ1.0%
テン1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時候が次第に寒くなって、お玉の家の流しの前に、下駄で踏む処(ところ)だけ板が土に填(う)めてある、その板の上には朝霜が真っ白に置く。
雁 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その外廓(がいかく)は、こう軍艦の形にして、船の側の穴の処に眼鏡を填(は)めたので、容堂公のを模して足らないのを駒形の眼鏡屋が磨(す)りました。
……背中には革で作った哨楼(しょうろう)が太い革紐でしばり付けられて、その中から四人の射手が、松脂(まつやに)と麻緒を填(つ)めた火矢を投げるのであった。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
自分の微力を以てしては精衛海を填(うず)むる世間の物笑いを免かれんかも知れんが、及ばずながらもこれが自分の抱懐の一つである
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
証拠の品はことごとく自分の懐中へ移したのが、香袋だけは、竹へ首を刺し立てる時に、抜け落ちて、紫殻の中に填(はま)ったのだった。
而して駒ヶ嶽登臨の客は多くこの地よりするを以て、夏時(かじ)は白衣(はくい)の行者(ぎやうじや)陸續として踵(くびす)を接し、旅亭は人を以て填(うづ)めらるゝと聞く。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
対空射撃高度が十キロを越す十糎(センチ)高射砲の陣地では、一斉に砲弾と火薬とが填(こ)められた。照準手は石のように照準望遠鏡に固着している。
空襲下の日本 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何万人という群が、あの広い新宿の大通にギッシリ填(つま)って、押しあい、へしあい、洪水(こうずい)の如く、流れ出てゆくのだった。すべては、徒歩の人間ばかりだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「道義肝(きも)を貫き、忠義骨髄に填(み)ち、ただちに須(すべから)く死生の間に談笑すべし」と悠然として饑餲(きかつ)に対せし蘇軾(そしょく)を思え、エレミヤを思え、ダニエルを思え
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
こうやって刺子(さしッこ)の筒袖を着、膝の抜けた半股引を穿き、三尺帯に草鞋がけ、天秤棒を担いで歩くのだが、末には立派な旦那といわれるようにお互にならないでは填(うま)らない、旨い物は喰わず
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
少ししらけた席の穴を填(うめ)るためか、昇が俄(にわ)かに問われもせぬ無沙汰(ぶさた)の分疏(いいわけ)をしだして、近ごろは頼まれて、一夜(よ)はざめに課長の所へ往(いっ)て、細君と妹に英語の下稽古をしてやる、という。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
文学は人間と無限とを研究する一種の事業なり、事業としては然り、而して其起因するところは、現在の「生」に於て、人間が自らの満足を充さんとする欲望を填(ふさ)ぐ為にあるべし。
喬介は撥形鶴嘴(ビーター)を受取ると、その柄先の穴を、例の鉄棒の尖(さき)に充行(あてが)ってグッと押えた。するとスッポリ填(ふさが)って、撥形鶴嘴(ビーター)は鉄棒へぶら下った。
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
“水泊(スイハク)ヲ填(ウズ)メ平(タイラ)ゲテ晁蓋(チョウガイ)ヲ生擒(イケド)リ”
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
田能村竹田の山中人饒舌(さんちゅうじんじょうぜつ)は「予、宮本武蔵ノ画布袋(ほてい)図ヲ蔵ス、筆法雋頴(けいえい)、墨色沈酣(ちんかん)、阿堵(あと)一点、突々人ヲ射ル。又、設色馬十二題図ヲ観ル、朱ヲ施シ粉ヲ填(テン)ジ、濃厚ヲ極ム、而シテ俗習ナシ、鞍鞭鑑諸具ニ至リテハ、古式ヲ按ジテ之ヲ作ル」
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)