“蹈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふ82.5%
ふみ7.9%
ふむ3.5%
ふん2.6%
ふま1.8%
フ0.9%
ぶ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貞之助は附合いの関係でいろいろの機会に花柳界へ足を蹈(ふ)み入れることがあるので、よくそう云う方面から奥畑の噂(うわさ)を聞いて来る。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
お代の言告口(いつけぐち)を聞きてよほど心の激昂しけん、足音荒くツカツカと奥へ蹈(ふみ)込み来り「コレお国、東京の満から手紙が来たそうだ。その手紙を見せろ」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
足に蹈(ふむ)力なきゆゑおのれがちからに己(おのれ)が躰(からだ)を転倒(ひきくらかへし)、雪の裂隙(われめ)より遙(はるか)の谷底へ墜(おちいり)けるが、雪の上を濘(すべり)落たるゆゑ幸(さいはひ)に疵(きず)はうけず、しばしは夢のやう也しがやう/\に心付
その危(あやふき)を蹈(ふん)で熊を捕は僅(わづか)の黄金(かね)の為(ため)也。金慾(きんよく)の人を過(あやまつ)事色慾(しきよく)よりも甚(はなはだ)し。されば黄金(わうごん)は道(みち)を以て得(う)べし、不道をもつて得(う)べからず。
彼らが千荊万棘(せんけいばんきょく)を蹈(ふま)えた艱難辛苦——中々一朝一夕(いっちょういっせき)に説き尽せるものではない。明治の今日に生を享(う)くる我らは維新の志士の苦心を十分に酌(く)まねばならぬ。
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
でもおまへさまは、尊い御(オン)神に仕へてゐる人だ。おれのからだに、触(サハ)つてはならない。そこに居るのだ。ぢつとそこに、蹈(フ)み止(トマ)つて居るのだ。——あゝおれは、死んでゐる。死んだ。殺されたのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「粟津の木曽殿で、大変でしたろう。なにしろこゝらは躑躅(つゝじ)の咲くまでは、江戸の人の足蹈(ぶ)みするところじゃありませんよ。」
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)