“繊”のいろいろな読み方と例文
旧字:纖
読み方割合
ほそ72.2%
せん7.4%
こま5.6%
か3.7%
かぼそ1.9%
かよわ1.9%
ほ1.9%
ほっ1.9%
ほっそ1.9%
ほつそ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばらくはわが足に纏(まつ)わる絹の音にさえ心置ける人の、何の思案か、屹(き)と立ち直りて、繊(ほそ)き手の動くと見れば、深き幕の波を描いて
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
麁末(そまつ)なもの、と重詰の豆府滓(とうふがら)、……卯(う)の花を煎(い)ったのに、繊(せん)の生姜(しょうが)で小気転を利かせ、酢にした鯷鰯(しこいわし)で気前を見せたのを一重。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「きめの繊(こま)かいひとはね、胃ぶくろでも内臓の中でも、何でも彼でも、きめが同じようにこまかいんだよ、うんこも従ってそうなるんだ。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
はじめは繊(か)細く、次第に高らかに、少女たちの合唱が聞えて来る。
彼は優(すぐ)れて美なり。乳(ち)の如き色の顔は燈火に映じて微紅(うすくれなゐ)を潮(さ)したり。手足の繊(かぼそ)く裊(たをやか)なるは、貧家の女(をみな)に似ず。老媼の室(へや)を出でし跡にて、少女は少し訛(なま)りたる言葉にて云ふ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
靄の中から病気の繊(かよわ)い女の声がした。
機関車 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
海風に髪を嬲(なぶ)らせている、繊(ほ)っそりとしたスパセニアの姿を眺めているうちに、私は勝気なくせに淋しそうな娘の、美しいからだを力一杯抱き締めてやりたいような
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼女の繊(ほっ)そりした指が、一束のグラフィックを持っていること、あの帽子が一揺れする毎に、彼女の唇には如何程強いた、嗄がれた微笑が掠めるかということ等
粗末な花束 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
藤紫の半襟が少しはだけて、裏を見せて、繊(ほっそ)り肌襦袢の真紅なのが、縁の糸とかの、燃えるように、ちらちらして、静(しずか)に瞼(まぶた)を合わせていた、お藻代さんの肌の白いこと。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唯(たゞ)老人の楽長が伴(つ)れて居る一人娘の大琴(おほこと)を弾く姿の繊(ほつそ)りとして水を眺めたニムフの様(やう)なのを美しいと思つた。肩章も肋骨も赤い青年士官が土曜日の晩丈(だけ)に沢山(たくさん)来て静かに骨牌(かるた)を闘(たゝかは)して居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)