“濕(し)” の例文
新字:湿
ひどい降りだ、斯んな日は火でも澤山おこさないと座敷が濕(し)けていけないと言ひながら圍爐裡に炭を山の樣についでゐる。流石に山の上で斯うせねばまた寒くもあるのだ。
山寺 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
雨落(あまおち)に敷詰(しきつ)めた礫(こいし)には苔(こけ)が生(は)えて、蛞蝓(なめくぢ)が這(は)ふ、濕(し)けてじと/\する、内(うち)の細君(さいくん)が元結(もとゆひ)をこゝに棄(す)てると、三七(さんしち)二十一日(にじふいちにち)にして化(くわ)して足卷(あしまき)と名(な)づける蟷螂(かまきり)の腹(はら)の寄生蟲(きせいちう)となるといつて塾生(じゆくせい)は罵(のゝし)つた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ひとつは、濕(し)める梔子(くちなし)の
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
燐(りん)は濕(し)めりてつき纒(まと)ひ
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)