“御(ミ)” の例文
郎女は尊さに、目の低(タ)れて來る思ひがした。だが、此時を過してはと思ふ一心で、御(ミ)姿から、目をそらさなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
是に其妻牟久(ムク)の木ノ実と赤土(ハニ)とを、其夫に授け給えば、其木ノの実を咜(クイ)破り、赤土を含みて唾き出し出し給えば、其大神呉公を咋破りて唾出すと思して、御(ミ)心に愛(ハ)しく思して、寝(ミネ)ましき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
御(ミ)神楽の燎火(ニハビ)の火気(ホケ)の 白みつゝ 風いづる音は、さ夜深きなり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
郎女は尊さに、目の低(タ)れて來る思ひがした。だが、此時を過してはと思ふ一心で、御(ミ)姿から、目をそらさなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
爾に其大神の御(ミ)髪を取りて、其室屋の椽(タルキ)毎に結(ユ)い著けて、五百引石(イオビキイワ)を其室屋の戸に取塞(サ)えて、其妻須勢理毘売を負いて、其大神の生大刀(イクタチ)、生弓矢(イクユミヤ)また其天詔琴(アメノノリゴト)を取り持たして、逃げ出でます時に
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
暁のらぢおの御(ミ)声 われは聞き了へぬ
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
恐れを知らず育てられた大貴族の郎女は、虔(ツヽマ)しく併しのどかに、御(ミ)堂・々々を拜(ヲガ)んで、岡の東塔に來たのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
だから、朝権の薄らいだ世には、執柄家が、ひのみこの御(ミ)名において、恣(ほしいまま)に事を行うたことも、あたまから歴史的意義のないこととは出来ないのであつた。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
みおすぢの「み」が「実(ミ)」か「御(ミ)」かは判然せぬが、いづれにしても、穀物の神と見るべきであらう。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天(アメ)の下清くはらひて、上古(カミツヨ)の御(ミ)まつりごとに復る よろこべ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天下(アメノシタ)清く払ひて、上古(カミツヨ)の御(ミ)まつりごとに復る よろこべ◎
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
とり結(ユ)へる縄葛(ツナネ)は、此家長の御(ミ)命の堅(カタ)めなり。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
築き立つる柱は、此家長(イヘヲサ)の御(ミ)心の鎮りなり。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)