“騰(あ)” の例文
ところが、三月に入ってから、あらゆる物価は騰(あ)げられた。配給の米、醤油、そういう基本になる生活物資が約三倍になった。
米(こめ)の不作(ふさく)のときは、米(こめ)の価(あたい)が騰(あ)がるように、くわの葉(は)の価(あたい)が騰(あ)がって、広(ひろ)いくわ圃(ばたけ)を所有(しょゆう)している、信吉(しんきち)の叔父(おじ)さんは、大(おお)いに喜(よろこ)んでいました。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なーに、そりゃ大丈夫だ。あれは七十度まで騰(あ)げていい設計になっているのだからネ」
蠅 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二階の渡り廊下の下の道路を裏へ抜けると、ここに驚くべき大洞可児合の壮観が眼下に大渦巻を巻き騰(あ)げる。断崖百尺の上の、何と小さな人間、白の、黒の、紫紺の、ぽつり、ぽつり、ぽつりだ。
日本ライン (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
神産巣日御祖(かむむすびみおや)の命の富足(とだ)る天の新巣(にひす)の凝烟(すす)の八拳(やつか)垂るまで燒(た)き擧げ二六、地(つち)の下は、底つ石根に燒き凝(こら)して、𣑥繩(たくなは)の千尋繩うち延(は)へ二七、釣する海人(あま)が、口大の尾翼鱸(をはたすずき)二八さわさわに控(ひ)きよせ騰(あ)げて