“逝(さ)” の例文
この我が訓(おしえ)を能(よ)く記(おぼ)えて決して背(そむ)くことなかれと苦(ねん)ごろに誡(いまし)め諭して現世(このよ)を逝(さ)りければ、兄弟共に父の遺訓に随(したが)ひて互ひに助けあひつつ安楽に日を消(くら)しけり。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
妻は乳児をすてて逝(さ)り、昨年は病魔におかされ、本年は天災にかかり、一家挙げて飢えに泣き渇を訴うるがごとき徒に至りては、なにによりて安心の一道を営みましょうか。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
その父世を逝(さ)りバーコの都奴婢(はしため)となるにおよびてかれはひさしく世にさすらへり 五八—六〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
父ヨセフは早く世を逝(さ)ったと思われ、これ以後我らはヨセフの名を福音書の記事に見出さない。イエスはたぶん父の職業を嗣(つ)ぎ、自ら指物大工をして、母と弟妹を養ったのであろう。
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
一三八治承(ちしよう)三年の秋、平(たひら)の重盛病(やまひ)に係(かか)りて世を逝(さ)りぬれば、一三九平相国(へいさうこく)入道、一四〇君をうらみて一四一鳥羽(とば)の離宮(とつみや)に籠(こ)めたてまつり、かさねて一四二福原の茅(かや)の宮に困(くるし)めたてまつる。
しかれども喜悦以て今世を逝(さ)れり、彼は得し処なかりしや、否(い)な
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)