“茅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かや78.8%
ち8.8%
あば7.1%
ちがや3.5%
ちぬ0.9%
ボウ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして白い熊苺の花は、既に茅(かや)の葉にこぼれかけていた。無理に一言の形容を求めれば、緑の地に花を散らした大きな絨毯(じゅうたん)であった。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
同じ歸りの列車に乘つた連中も或者は大磯や茅(ち)ヶ崎(さき)邊を通りがけに局長とか社長とかの別莊を訪問しやうとて下車したものも多かつた。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
幼時は、父こそちがうが、秀吉と同じ尾張中村の茅(あば)ら屋(や)に生れ、同じ母のひざに甘え、同じ貧苦と寒飢(かんき)の中に育てられてきた骨肉である。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早春には、まず芝の地下茎を噛(か)んだ。糖分を貯えて越年した若い地下茎である。茅(ちがや)の穂のツバナは無味淡白だったが、噛めば舌端に甘い後味が残った。
甘い野辺 (新字新仮名) / 浜本浩(著)
……さては鏡のやうに凪いだ茅(ちぬ)の海の輝き、玩具のやうに愛らしく見える神戸の港と、そこに繋つて居る数十隻の汽船、瓦の太陽の反射で光ること、——今日は和泉、紀州の山々、村々までが
後、コノ下総原ニ一茅(ボウ)ノ屋(オク)ト田ヲ獲、年経ルママ思エドモ、山河ヲ隔テ、又消息ヲ絶ツノ今、カエッテ子ノ幸(サチ)ニ如何アルベシナド思イ、イツシカ歳月ノ流レニマカセ了(オワ)ンヌ。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)