“謂知”の読み方と例文
読み方割合
いひし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その術無(じゆつな)き声は謂知(いひし)らず母の胸を刺せり。彼はこの子の幼くて善く病める枕頭(まくらもと)に居たりし心地をそのままに覚えて、ほとほとつと寄らんとしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この恐るべき危機に瀕(ひん)して、貫一は謂知(いひし)らず自ら異(あやし)くも、敢(あへ)て拯(すくひ)の手を藉(か)さんと為るにもあらで、しかも見るには堪へずして、空(むなし)く悶(もだ)えに悶えゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
鉄を劈(つんざ)き、巌(いはほ)を砕くの例(ためし)、ましてや家を滅(めつ)し、人を鏖(みなごろし)にすなど、塵(ちり)を吹くよりも易(やす)かるべきに、可恐(おそろ)しや事無くてあれかしと、お峯は独(ひと)り謂知(いひし)らず心を傷(いた)むるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)