“裂(ざ)” の例文
『復讐(ふくしゅう)だ、復讐だ! きっと其の男を殺して、八ツ裂(ざ)きにしてやるんだ。おれがその男を殺した廉(かど)により、次の日、死刑にされたっていい』
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
きみなんか、ワシのゴルゴさんに八(や)つ裂(ざ)きにされちまうといいや! そんなひげなんか、おくさんに切られちまうといいや!
「この頃みんなの持って来る鼠は大抵(たいてい)八つ裂(ざ)きになっているぜ。寄ってたかって引っぱり合うものだから。」
三つの窓 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
自分を八つ裂(ざ)きにしても貞世の命は取りとめなくてはならぬ。もし貞世が死ねばそれは自分が殺したんだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「いいえ! たとえこの身が八(や)ツ裂(ざ)きになりましょうとも退きませぬ! 道へお集りのみなさまもきいて下さいまし! このご前は、この嘘つきのご前さまは——」
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
「それじゃあ四(よ)つ裂(ざ)き★だ。」とジェリーは言った。「むごたらしいことをするもんだなあ!」
「その修道士が、なんでかような場所へ入(い)りこんだか。婆(ばばあ)! うそをもうすと八ツ裂(ざ)きだぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次の所謂(いはゆる)大玄關まで筒拔け、丁度その時追つ立てるやうにザーツと一と夕立來ると一と打二た打眼を射る猛烈な稻光り、彈(はじ)くやうな雷鳴が、押つ冠せてガラガラツと耳をつん裂(ざ)さきます。
と思う刹那、闇をつん裂(ざ)いて、無言の烈刃が、びゅうと、肩口に落ちて来た。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
上も下も胸も、泥まみれになっていたうえ、肘(ひじ)のところは破れ、ズボンにも、かぎ裂(ざ)きのような箇所があり、見れば見る程、見られたざまではなかった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あいつのは、幕府を売り、父を殺し、知己親戚を穽(おと)し入れ、罪八(や)ツ裂(ざ)きにも値(あたい)する。貴様の破廉恥(はれんち)とは、同じ武士道外(はず)れでも、けたが違う。幕臣として俺はあの異端者を斬りに来たのだ。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
カギ裂(ざ)きやら泥(どろ)だらけ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)