“脅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おど36.8%
おび26.5%
おびや24.1%
おびやか8.1%
おどか3.2%
おどし0.3%
あばら0.1%
お0.1%
おどや0.1%
おびやかし0.1%
ど0.1%
わき0.1%
オビ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と言つたやうなたよりない話です、どうかしたら、薄々事情を知つてゐても、うんと脅(おど)かされて物を言へなかつたのかも知れません。
默つて振り返ると、勝藏の娘のお秋が、此上もなく脅(おび)えた樣子で、自分の袂を噛んだり揉んだり、平次の後ろから追ひすがるのです。
それが人(ひと)の言(い)うように規則的(きそくてき)に溢(あふ)れて来(こ)ようとは、信(しん)じられもしなかった。故(ゆえ)もない不安(ふあん)はまだ続(つづ)いていて、絶(た)えず彼女(かのじょ)を脅(おびや)かした。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
異体の知れねえのに脅(おびやか)されて、雲を霞と逃げたとあっちゃあ——第一、七兵衛兄いなんぞに聞かせようものなら、生涯の笑われ草だ。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そのうちに、石の一箇が、勘太の額(ひたい)にぶつかった。血は片眼を塗りつぶした。勘太は近づくものを脇差で脅(おどか)してみたが効がなかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瑠璃子は、相手の脅(おどし)を軽く受け流すやうに、嫣然と笑つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
アヴェルノの岩山にてキリストに祈願をさゝげその受難の苦しみをわが身に知らせ給へと念ず、キリスト、セラフィーノの姿にてこれに現はれ、聖者の手足及び脅(あばら)に己が傷痕を印し給ふと
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
戸塚は脅(お)びえたように足の下の火の海を見た。中野学士がそう云う戸塚の顔を振返って冷然と笑った。白い歯並が暗(やみ)に光った。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
溜息(ためいき)を吐(つ)くやうな、あの淋しさうな念仏こそ、なんとわれ/\の血気に充ちた青春の覇気を挫き、因循なものにしたことか? 私たちの幼時を脅(おどや)かし、早くも厭世観念を吹き込んだのは
念仏の家 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
これに噛まれると見る間に顔が変り、二た目と見られない癩病患者のようになるのと、そろそろ大奥様をお脅(ど)かしになり、遂々無体な真似をなさろうと遊ばすので、大奥様は急に怖しくなって
蛇性の執念 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
いけないことだ。「我はその手に釘(くぎ)の痕(あと)を見、わが指を釘の痕にさし入れ、わが手をその脅(わき)に差入るるにあらずば信ぜじ」
散華 (新字新仮名) / 太宰治(著)
当麻語部媼(タギマノカタリノオムナ)は、南家の郎女の脅(オビ)える様を想像しながら、物語つて居たのかも知れぬ。唯さへ、この深夜、場所も場所である。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)